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ライフスタイル

第529話 大邱のサッカー専用スタジアム「テパーク」を紹介します

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-11-14

玄海灘に立つ虹

© Daegu FC

今日は韓国プロサッカーの大邱(テグ)FCのホームスタジアム、大邱銀行パーク、略して「テパーク」をご紹介します。

数あるサッカーチームの中でなぜ大邱FCなのかといいますと、これまでKリーグ1(Kリーグは上位リーグの1と下位リーグの2に分かれている)に属する12球団中7位が最高戦績だったのが、今シーズンは4位と大きく飛躍しており(11月12日現在)、さらに2002年の創設以来初めて今年のAFC(アジアサッカー連盟)チャンピオンズリーグにも出場した(16強入りはならず)という目覚ましい活躍ぶりを見せているからです。


もっとすごいのは、今シーズンでホームのチケットが8回も売り切れていることです(11月初め現在)。サッカーチーム全体で一度でもホームが満席の状態でプレーしたのはテグが唯一です。テパークは15000人を収容できるこじんまりしたスタジアムです。なんだ、それで満員?と思われるかもしれません。たしかに、試合当たりの平均観衆数はソウル(1万7000人余り)、全北(チョンブク、全羅北道の略)(1万4000人余り)に次いで3位(1万661人)ですが、スタジアムの座席数に占める観衆の割合(座席稼働率)は88%で断トツの首位です。そのため、4万人以上を収容するソウルや全北のスタジアムより観衆が圧倒的に多く見えるのです。今年1月にオープンしたばかりのテパークの人気の秘訣は、小規模ではあるもののサッカー専用スタジアムだという点がまず第一に挙げられています。関係者によりますと、「スタジアムの観客席ががら空き状態だと、「このチームの試合はいつでも観戦できる」と思われてしまう」というのです。


他にもブラジル出身のセシーニャ(CESINHA)選手が大活躍していることも大きいです。ちなみに大邱FCには日本人の西翼(にし・つばさ)選手もいて、大いに活躍していたのですが、足の故障で休んでいました(冬のキャンプで復帰予定)。西選手がいたら、大邱FCはもっと順位を上げていただろうと惜しまれています。


さらに大邱スタジアムの人気は、他の球団とは差別化されたマーケティングが功を奏した結果だと評価されています。たとえば、「ハロウィーンデー」です。若者たちに浸透しているハロウィーンを記念するため、KPOPアイドルのコンサート会場のような雰囲気を演出しました。暗いところでスイッチを入れると青く輝くようになっているヘアバンド5000個を無料で配布し、選手を紹介するときにスタジアムの電気を消した状態で、スイッチを入れるよう誘導したのです。プロモーションチームは、試合を2時間観て帰るのではなく、試合の前後、合わせて5時間くらいをテパークで楽しんでもらえるのが目標だと話しています。ちなみに、今月3日の試合前に先着順で行われた西翼選手のサイン会(200人)と韓国人選手二人のポスター無料配布(500人)には、長蛇の列ができたということです。


大邱FCがテパークで行う試合は12月1日の対ソウル戦のみ。プロモーションチームは最後のホームでの試合も満席にするためのアイデアづくりにとりかかっています。そして来年もこれからも今シーズンのような成功を継続していくための努力がすでに行われています。

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