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ライフスタイル

囲碁イ・セドル九段引退

#マル秘社会面 l 2019-12-04

玄海灘に立つ虹

© YONHAP News

先日、韓国のプロ囲碁の棋士、イ・セドル九段の引退が日本のNHKでも報道されました。一体どんな人物なのでしょうか。イ・セドル九段はまだ36歳の若さです。そんな彼が日本でも有名なのは 囲碁AI「アルファ碁」に勝ったことのある唯一の人類だからです。

イ・セドルさんは1983年、全羅南道新安郡飛禽島(ピグムド)生まれで、1995年に囲碁に入門、その独特な着想と戦闘的気質で一時代を築いた天才棋士です。その成績は18回の世界大優勝、32回の国内優勝など計50回の優勝を果たし、韓棋院の公式賞金集計で98億ウォンを稼いでいます。2000年には76勝して韓棋院最多勝の主人公になり、最優秀棋士賞に選ばれました。通算8回のMVP、4回の最多勝王と連勝王、3回の勝率王に輝いています

そんなイ・セドル九段を世界的に有名にしたのが2016年の囲碁AI「アルファ碁」との対局です。「アルファ碁」は IT大手グーグルの傘下にある企業が開発した人工知能を活用した囲碁のコンピュータープログラムです。イ九段は 「アルファ碁」と5番勝負の対局を行い、4敗を喫しながらも1勝を挙げましたが、これ以降、「アルファ碁」に勝った棋士はいません。

そして今では、イ九段を破った当時のプログラムと100回対戦して全勝するモデル、「アルファ碁 ゼロ」が開発されるなど、囲碁AIはさらなる進化を続けています。イ九段は引退を決意した理由をインタビューでこんな風に語っています

「AIが登場したことで、どんなに努力してもトップになれないことが分かった。決して敗れない存在がある」

引退発表後、SBSのニュースに出演した時のインタビューではこんな会話がありました。

アンカー「棋士としてこれまで囲碁を打ってきた相手は人間だったのが、アルファ碁との対局では違いました。もちろん対局現場では人が人工知能の指示に従い打ってはいますが、どんな感じでしたか? 人間ではない人工知能との対局は?」

イ九段「とても良い質問です。正直、非常に当惑しました。もちろん人間の手で石を打つのですが相手の呼吸が感じられません。人間が相手なら、相手がどんなことを考えているのか、少しでも感じられるのですが、それが全然感じられませんでした。それで当惑し1局、2局、3局までは空しく負けてしまいました」

アンカー「もう人類が、人間が人工知能と対局して勝つことは不可能なのでしょうか?」

イ九段「まだ少しのバグはあるでしょう。人工知能のミスです。しかしそれを人間が見つけ出すことは効率的に見てロット宝くじに当選するほどのわずかな確率だと思います」

そして先日、最後の引退対局の相手が決まりました。今月18.19.21日に韓国製の囲碁AI 「ハンドル」と3度対局することになりました。ハンドルは2017年12月にお披露目した囲碁AIで、今年1月に5人の九段との5連戦で全勝し、8月に中国で開催された囲碁AIの世界大会では3位でした。

イ・セドル九段、人類の名誉をかけて頑張ってください。

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