メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

第533話 音源買い占め問題について

#アジュンマの井戸端会議 l 2019-12-12

玄海灘に立つ虹

© KQ Entertainment

いま韓国の芸能界では、音源の買い占めが大きな問題になっています。

問題が浮上したのは、11月24日、Block B(ブロックビー)のメンバー、パクキョンが自らのSNSで、音源チャートで上位にランクしている歌手たちを名指しで批判したのがきっかけでした。「~のように僕も買い占めしたい」と書き込んだのです(現在は削除)。

実名が挙がった歌手たちの事務所は一様に事実無根だと主張し、法的手段に出るとしており、そのうちの一部は名誉棄損などで検察や警察にすでに告訴状を提出しています。


音源の買い占めとはどういうことなのかについてですが、最近韓国では、新曲をリリースする際にCDを出すよりはデジタル音源を音楽配信サイトに発表する場合が多くなっています。消費者としては、CDを買うよりデジタル音源を買ったほうがスマートフォンなどで手軽に聞くことができますし、値段もCDよりはるかに安いため、そちらのほうがだいぶ浸透しているのです。韓国の音源配信サイトでは、楽曲を聴いたりダウンロードするたびにお金を払うのではなく、ほとんどが月単位で課金されます。つまり一定額を払えばひと月の間ストリーミングやダウンロードがいくらでもできるようになっています。その曲を聴いた人やスマホにダウンロードした人が多ければ多いほど、サイトで上位にランクし、注目度が高まります。音源の買い占めは、多数のスマホを保有したいわゆる「ストリーミング工場」と呼ばれるところで、その多数のスマホを使って特定の曲を一斉にストリーミング(ダウンロードせずに聴くこと)するというような方法が使われるとされています。その行為をそれこそ1日中続ければ、その曲の順位は上がり、サイト利用者に露出する機会が増え、「聴いてみようか」という気にさせることができるというわけです。


音源の買い占めが疑われるのは、人気アイドルグループや歌手を差し置いて無名または新人の歌手がチャートで急上昇している場合です。実は去年もこういう例があり、音源買い占めが疑われたものですが、その歌手の所属事務所は「バイラル・マーケティング(主にインターネットやメールにより、クチコミを利用して不特定多数に広まるよう仕掛けていくマーケティング手法のこと)が功を奏した」と説明しています。実際、SNSを通じたバイラルマーケティングも盛んに行われています。


音楽配信サイトでの音源買い占め疑惑が絶えないことについて、専門家は、「どんなに頑張って曲を作り歌っても、チャートにランクインしないことには大衆の目にさらされることがないから」だと指摘しています。サイトで注目されないことには人々が聴いてくれないというのです。告訴状が提出されたため、検察と警察でこのことに対する捜査が行われることになりますが、全容が明らかにされるのか、見守りたいところです。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >