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© Getty Images Bank

アメリカの社会学者アーリー・ラッセル・ホックシールドはその著書の中で「遠からず私生活のすべての領域をアウトソーシングする時代が来るだろう」と予言しましたが、2020年の韓国はまさにアウトソーシングの時代、代行サービス大盛況の時代を迎えています。


韓国の代行サービスは無限の進化を遂げています。その例をご紹介しましょう。

  1. トタイム夫サービス:忙しい夫に代わって家の仕事を手伝ってくれるサービスです。組立式家具の分解と設置、照明器具の交換、ドアロックの交換、簡単なインテリアなど、夫に頼んで文句を言われるよりは時給2万ウォン出張費5千ウォンで頼んでしまう、というのが利用者の主婦の声です。
  2. キム執事:2018年4月に開業したキム執事は「すべてのお手伝いは20分以内、2000ウォンから」をコンセプトにしたお手伝いサービスです。電話一本でごみ捨てから食べ物の買い物配達、クリーニング店からの洗濯物の回収、郵便局への小包出しなどの些細なサービスを提供します。アパート団地を中心に月平均の注文件数は1万~2万件だといいます。
  3. ランドリガー:家の玄関前に専用のボックスを置き、洗濯物を入れて携帯電話のアプリで申し込めば、これを回収して24時間以内にきれいに洗濯して持ってきてくれます。
  4. 退社代行サービス:これはもともと日本で始まったものが韓国でも広がっています。退職をしたくてもできないでいる本人に代わり、辞表の提出から保険まで、退職に伴うすべての雑事を代わって行ってくれます。20-30代の女性からの依頼が多いとのことです。
  5. ラミスナック:代行サービスを利用するのは個人や家庭だけではありません。企業が利用しているケースもあります。例えばラミスナックは会社の湯沸室、給湯室の管理をしてくれます。具体的にはおやつの選定、在庫の管理、陳列などです。直接するよりも経済的にかついろいろな種類のおやつを楽しめ、かつ残ったものは回収もしてくれるので便利だという声がでています。
  6. 出張経理:専門の計理士が週に1回以上出張してきて、通帳の整理など関連業務を代行してくれます。企業としては人件費の負担を減らすために利用し、一人の専門家が複数の企業に派遣されます。企業はもちろん、派遣される計理士も1社で働くよりも多くの収入を得られるということで、満足度が高いと言います。


このような代行サービスの盛況について専門家はその背景として、一人暮らしの増加、オンライン・モバイル世代の増加、人付き合いが苦手な若者の増加などを挙げています。

最後に去年の1月から「キム執事」に正社員として入社し働いているという20代の女性は

「大部分がスーパーや飲食店に行き買い物をしてきてほしいという配達サービスです。意外だったのはキム執事を利用することで、より経済的な購買ができると利用する人がいることです。例えばピザを注文する際に配達を頼むよりも、売り場まで行き買ってきてもらう方が安くなり、かつ特定のセールの日に頼めばさらに安くなるという論理です。また子供が熱を出したときにつきっきりのお母さんの代わりにお粥を買って届けたときには非常に感謝されました」

と語っています。今回、いろいろと調べてみて、今までは当たり前にしていたことが代行サービスとして仕事になるというのは、ある意味良いことかもしれないという気もしてきました。

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