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ライフスタイル

第547話 韓国のミュージカル、今と昔

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-03-17

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News, Contents one

韓国最大の公演チケット販売サイトのインターパークが今年2月に発表したところによりますと、2019年の公演全体のチケット販売額が約5276億ウォンで、そのうちの2137億ウォン、40%ほどをミュージカルが占めていたということです。2018年より16%ほど売り上げが減っているとはいえ、いまや公演分野でもっと人気の高いコンサートと収益をほぼ二分するほどの人気を誇っています。


韓国最初のミュージカルは、1966年、ソウル市民会館(今の世宗文化会館)で上演された『サルチャギ オプソイエ』でした。亡くなった妻に永遠の愛を誓ったペビジャンとキーセンのエランとの愛を描いた古典の<ペビジャン伝>を脚色した作品です。『サルチャギオプソイエ』は済州島の方言で、「こっそりいらして」という意味になります。4日間、7回の公演に合わせて16,000人の観客が入りました。その後は公演を続けていけず、何度かアンコール公演が行われてきました。一番最近では2013年に再演されています。


それ以後、1970年から1980年代にかけて、商業的な性格を帯びたミュージカルの公演が本格的に行われます。フランスのシャンソン歌手、エディット・ピアフの一生を描いた『パダムパダムパダム』(1977、創作ミュージカル)をはじめ、『ジーザス・クライスト・スーパースター』(1980)、『サウンド・オブ・ミュージック』(1981)、『ウエスト・サイド・ストーリー』(1987)など、海外の有名な作品の韓国バージョンがほとんどでした。特に1983年に上演された『ガイズ&ドールズ』は大衆的な成功を収め、韓国社会にミュージカルというジャンルを広く知らせる契機となった作品と評価されています。ただ、当時のミュージカルは、正式にロイヤリティを払わず上演されたことが多かったため、それによる問題もさることながら、きちんとした歌や振り付け、舞台装置などが提供されていなかったことによるクオリティーの問題もあったことは否めません。


1990年代に入ってからは韓国の創作ミュージカルが次々と登場します。なかでも際立っている作品は『明成(ミョンソン)皇后』だといえるでしょう。日本で閔妃(ミンビ、びんひ)と呼ばれることの多い明成皇后は、朝鮮王朝第26代の王、高宗(コジョン)の后で、1895年、日本側に暗殺されました。その事件を描いたミュージカルは制作期間4年、制作費12億ウォンをかけた大作で、1995年、殺害されて100周年となる節目の年に初演されました。1997年には韓国ミュージカルとして初めて、ニューヨークのリンカーンセンターで上演されています。


2000年代に入り、韓国のミュージカル市場は急速な成長を遂げます。創作ミュージカルと共に海外の有名ミュージカルのライセンス公演が続々と行われるようになります。なかでも代表的なのは、2001年にソウルで初演された『オペラ座の怪人』です。150憶ウォンの制作費が投入されたミュージカルで、7ヶ月間の公演で24万人の観客を動員、192憶ウォンの売り上げを記録しました。


ちなみにその『オペラ座の怪人』のオリジナルキャストによる公演をはじめ、ライセンス公演の『ドラキュラ』、創作ミュージカルの『マリ・キュリー』、『デミアン』などが現在上演されています。新型コロナウイルスの感染拡大で中止になったミュージカルも多いですが、その中でも少しずつ上演が始まっています。劇場内の消毒や全観客、スタッフの体温測定のほか、全観客のマスク着用を義務付けるなどの対応が行われていますが、上演については賛否両論があります。

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