自己啓発本『セイノの教え』
2024-03-21
新型コロナウイルスの感染拡大が長期化していることで、多様な分野で非接触の文化が広まっていますが、ライブコンテンツの代名詞と言えるコンサートでも、そうした変化が見られています。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、韓国国内でも海外でもコンサートができなくなっていて、早くから対策づくりが行われていました。海外でのツアーが収益性をあげられる大きな手段になっており、その道がふさがれたからです。実際、BTSやTWICE、東方神起、SUPER JUNIOR、Red Velvet、GOT7、(G)I-DLEなどたくさんのアイドルグループがツアーの日程を延期あるいはキャンセルしています。そのため、チケットをはじめツアーにつきもののグッズの販売に代わる、利益を出すための手段が芸能プロダクションにとっては切実でした。グループにとってもファンと接することのできる機会が失われているのは不本意な状況であることは言うまでもありません。
そこで登場したのがオンラインの活用です。まず先頭を切ったのはBTSでした。4月18日と19日の2日間、YouTubeを通じて、過去に行ったコンサートの模様を無料で世界中に発信したのです。一日当たり12時間、合わせて24時間の映像の公演に、5059万件のアクセスがあったということです。このイベントで印象深かったのは、オフラインのコンサート会場で灯され、会場を彩るペンライト(スティックライト)が活用されていたことです。ペンライトのブルートゥースモードをオンにすると、画像のオーディオ信号によってペンライトの色を変えることができる技術が駆使されていました。BTSが所属するビッグヒットエンターテインメントによると、このイベントが行われた2日間で、世界162の国と地域で50万本のペンライトが灯されたとして、「このイベントは単なるビデオ鑑賞ではなく、世界中のファンを一つにするとともに、コンサート観賞文化の新しいモデルを提示できた」ということです。
また、SMエンターテインメントのグローバルグループのSuperMも、4月26日、オンラインコンサートを行いました。ポータルサイト、NAVERのVライブを通じて、リアルタイムでコンサートを中継しました。こちらは「AR(拡張現実)の技術と差別化されたカメラウォーキングで臨場感あふれるオンライン専用コンサート」という謳い文句で、2時間の有料公演(33000ウォン)でした。世界109の国と地域から7万5000人がアクセスしています。
オンラインコンサートには、海外からも高い関心が寄せられています。アメリカABCテレビは、韓国のオンラインコンサートについて、「コンサート会場前で並んだり、高いチケットを買う必要もなくなった」として、「KPOPは新型コロナウイルスの影響のさなかでも、最先端のAR技術とリアルタイムのコミュニケーションを通じて、ライブコンサートの新しい時代を迎えた」と報じています。
オンライン公演はこれまで本公演を一時的に代替するあるいは補う役割に過ぎなかったと言えますが、最近では新しい公演文化、ビジネスモデルに定着させるための動きが起きています。オフラインの公演よりやっぱりライブが観たいというのがファンの本心ではないかと思うのですが、オフラインでのこうした動きがこれから本当に定着していくのか、またその過程でどんな試みが行われるのか、注目されるところです。
2024-03-21
2024-03-14
2024-03-15