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ライフスタイル

第556話 KBSの『ギャグコンサート』、事実上放送終了へ

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-05-19

玄海灘に立つ虹

ⓒ KBS

KBSで1999年から放送されていたコメディーショー『ギャグコンサート』の休止が決まりました。KBSによりますと、「変化する放送環境とコメディーのトレンド、そして公開録画番組としての限界など様々な理由から、新しく生まれ変わるために『ギャグコンサート』を一時休止とすることにした」ということです。しかしギャグコンサートはこのところ視聴率が2%台にまで低迷していたことから、一時休止というより事実上放送終了だと言われています。


『ギャグコンサート』は1999年9月4日に放送が開始された、韓国最長のコメディー番組です。2003年には30%台の視聴率を記録したこともありました。公開番組だった『ギャグコンサート』は、当時、観覧申し込みが殺到し、前の列で観覧するため未明からたくさんの人々が列を作っていたほどの人気でした。最近では新型コロナウイルスの影響で、無観客でコーナーを収録し、それを観ながら複数のコメディアンたちがトークをするという形式が取られています。


『ギャグコンサート』の人気が下火になったのは、リアルバラエティーと観察バラエティーが主流になったからだという分析もあります。前者は、きちんとした台本がなく、トークやゲーム、音楽などさまざまな手段を通じて、芸能人たちのそれこそリアルな状況を見ることができる番組で、後者も基本的に台本はなく、特定の設定に沿って行われる芸能人の言動をそのまま映し出す番組のことです。これらが高い人気を得るようになり、番組の数もどんどん増えていったため、コメディー番組は次第に勢いを失っていったという見方です。


それでも『ギャグコンサート』の休止を惜しむ声が出ているのは、『ギャグコンサート』の終了で、地上波のコメディー番組がまったく無くなったからです。地上波初のコメディーショーとして21年間続いてきた『ギャグコンサート』は、視聴率だけでは評価できない意味と象徴性を持っていると言えます。ケーブルテレビのtvNで『コメディービッグリーグ(コビッグ)』が放送されていますが、地上波では、MBCの『ギャグ夜』、SBSの『笑いを探す人々(ウッチャッサ)』がそれぞれ2009年、2017年に廃止されていて、KBSの『ギャグコンサート』が唯一残っていました。


地上波ではそれぞれコメディアンを公開採用してきました。しかしコメディー番組の休止と共に公開採用はなくなり、KBSでもコメディアンの今年の公開採用の計画を白紙に戻しました。最後の公開採用は2018年のKBS第32期で、ギャグコンサートを活性化するための採用だとされていました。『ギャグコンサート』の休止は、知名度の低い新人コメディアンにとっては、最大の活動の場が奪われることに他なりません。一部のコメディアンは、バラエティー番組やドラマに出演したり、ユーチューブでチャンネルをオープンしてコンテンツを掲載するなどの活動に転じています。


『ギャグコンサート』は、コメディアンの登竜門とされてきました。KBSが公共放送として、マイナーなジャンルも生かしていく決断をしなければ、『ギャグコンサート』の復活は難しいのではないかとみられています。

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