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ライフスタイル

第558話 ドラマが問いかける「家族」の形

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-06-02

玄海灘に立つ虹

ⓒ KBS

家族とは何なのかについて、ファンタジーではなくリアルな現実をつきつけるドラマが増えています。


以前は結婚や出産が当然のこととされていましたが、いまの韓国社会ではそういった認識が薄れてきており、最近のドラマは、非婚や卒婚、結婚前の妊娠などについて変化した認識を反映させたストーリーで注目されています。以前もそうしたドラマがなかったわけではありませんが、よりリアルに描写されているのが特徴です。


6月1日から放送が始まったtvN『(あまり知らないけれど)家族です』は、卒婚を宣言する女性、その後事故に遭い記憶を失ってしまう夫、そして三姉弟が厳しい現実の中でわだかまりを解決しながら理解しあっていく過程を描きます。ディレクターは「これまでの家族ドラマが家族の仲の良さや友愛を強要しているとすれば、このドラマは家族の姿をとても現実的に、時には目をそむけたくなるほどリアルに描いているが、それだけに家族について今一度考えることができるドラマになるだろう」と話しています。家族が常に温かい存在として描かれていたこれまでのドラマとは異なるというのです。


また、3月から放送されているKBS第2の週末ドラマ『一度出戻ってきました』は、タイトルからもわかるように、変化している社会の認識を描いています。統計庁によりますと、去年結婚したカップルは32万組、離婚は13万5000件でした。それだけ離婚が増えている現実に着眼してつくられたドラマだといいます。4人の子どもが皆離婚を経験したという設定で、その親と子どもの間の、子どもの離婚によってできた心の隙間を埋めていき、各自が幸せを追求する過程を描いています。


若い世代が関心を持っている非婚を素材にしたドラマも注目されています。現在放送されているtvNの『オーマイベイビー』は非婚のヒロインが、結婚せずに子供を産もうとする設定で始まっています。極端な設定ではないかと思いきや、未婚男女568人を対象にした最近のアンケート調査では、85.3%が「結婚は必須ではなく選択」だと回答しているという結果も出ています。また他のアンケート調査では、30代の未婚女性389人中、結婚したら子供が欲しいという回答は34.2%で、10.3%が、結婚はしなくても子どもはほしいと答えていました。


今年の夏に放送予定のKBS第2の月火ドラマ『男は皆同じ』も、非婚主義を掲げています。男は皆同じだから結婚しないという非婚主義者の女性が、ある日全く違う魅力を持った二人の男性から積極的なアプローチを受け、その中で非婚主義を守ろうとするというロマンチックコメディーです。


このように設定やジャンルは少しずつ異なりますが、最近のドラマは「家族=仲良し」という公式から抜け出そうとしています。ある放送関係者は「結婚や家族の形について、これまでのドラマでは現実をきちんと反映できなかったのも事実だ」として、「最近では家族より個人の幸せを重視するという変化が表れている」と分析しています。

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