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ライフスタイル

第583話 韓国映画『勝利号』、ネットフリックスを通じて公開

#アジュンマの井戸端会議 l 2020-11-24

玄海灘に立つ虹


240億ウォンという制作費が投じられた超大作映画『勝利号』(韓国語タイトル)が、ネットフリックスを通じて公開されることになりました。この作品は今年の夏に全国で公開予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、9月に延期されていました。結局、劇場公開はかなわなかったのです。これだけお金をかけた大作が、劇場にかかることなくネットフリックスで公開されるのは韓国では初めてのことで、韓国映画界に波紋が広がっています。


映画『勝利号』は、2092年、宇宙ゴミを回収するために打ち上げられた「勝利号」の乗組員たちが、大量破壊兵器として知られる人間型ロボットを発見したことで、危険な取引に身を置くことになるというストーリーのSF大作。韓国で初めて、宇宙を舞台にした作品です。ソン・ジュンギ、キム・テリ主演、監督は『狼少年(邦題:私のオオカミ少年)』(2012)のチョ・ソンヒさんです。


240億ウォンという制作費を回収するには500万~600万人の観客を動員しなければならず、コロナ下では現実的に不可能なのでネットフリックスを選択したということですが、ネットフリックスを選択した理由はもう一つあります。『勝利号』が、映画やドラマのシリーズなどスピンオフなどの映像コンテンツやウェブトゥーン、ゲームなど多様なコンテンツの素材にすることを前提につくられた映画だという点です。実際、映画の投資先の一つであるダウムウェブトゥーンは、映画公開に先立ち、今年5月から、「勝利号」というウェブトゥーンを連載していましたが、今年9月、第19話を最後に連載が休止になっています。そういう事情もあり、公開をこれ以上延期することもできず、ネットフリックスでの公開に踏み切ったと、配給会社の関係者は説明しています。


新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、今年4月に『狩りの時間』、11月27日には『コール』、来年1月1日には『チャインピョ』が、劇場ではなくネットフリックスを通じて公開されます。現在制作を終えたか完了間近の作品は40作あまりにのぼるといわれており、ネットフリックスでの公開という選択は相次ぐものと予想されています。


公開される新作の数が減っていることで、映画館でもネットフリックスで放映されている外国映画が上映されるようになっています。大手シネコンチェーンのCGVとロッテシネマでは、ネットフリックスオリジナル映画の『ヒルビリー・エレジー 哀愁の郷歌』と『Mank/マンク』が上映されています。同じく大手のメガボックスでは、それら二つの作品を含めたネットフリックスオリジナルの映画合わせて4本を、来月までに公開するとしています。CGVの関係者は「コロナの影響でハリウッド映画の新作も公開を延期しており、観客に観てもらえるコンテンツが足りない」として、ネットフリックスオリジナル映画の公開に前向きの姿勢を示しています。 


映画界の関係者は、「ネットフリックスでの公開は、安定した収益が保障され世界190ヶ国に向けて同時公開できるなどたしかに利点が多いが、こうした傾向が続けば、韓国映画界がネットフリックスに従属してしまうのではないか」と懸念を表しています。

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