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ライフスタイル

第598話 海外メーカーによる韓国ドラマへの間接広告増える

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-03-16

玄海灘に立つ虹


2月から放送が始まったドラマ『ヴィンチェンツォ』(tvN)は、韓国系イタリア人弁護士の物語ですが、ドラマが終わるころ、エンドロールにスポンサーとして「KOPIKO(コピコ)」が名を連ねています。なんとインドネシアのコーヒーキャンディのメーカーです。韓国ドラマを通じて、自国のインドネシアだけでなく東南アジアの視聴者をターゲットにアピールしようという狙いがあります。最近では、このように、韓国ドラマに韓国ではなく海外のメーカーがスポンサーとして間接広告をすることが多くなっています。間接広告とは、作品の中に特定の企業の商品を小道具として意図的に登場させることです。


たとえば、2月に放送が終了したドラマ『女神降臨』(tvN)には、中国メーカーのカップラーメンが登場しました。韓国には進出していないメーカーの製品で、自国、中国の消費者を狙った間接広告です。中国の電子商取引大手の京東商城(JD.com)も、『ヴィンチェンツォ』や『女神降臨』、『サイコだけど大丈夫』などの制作支援を行っています。この会社は、中国本土や台湾、香港、インドネシア、タイなどで事業を展開しています。


『ヴィンチェンツォ』を制作しているスタジオ・ドラゴンの関係者は、「ネットフリックスなどのOTTを通じて韓国ドラマを観ることができるようになっていることで、韓国国内に進出していない海外の企業による間接広告が増えた」と話しています。去年、ドラマ『夫婦の世界』(JTBC)でヒロインのキム・ヒエのハンドバッグと靴の協賛をしたフランスのブランドRoger Vivier(ロジェ・ヴィヴィエ)が、ドラマが終わってから発表したところによりますと、アジア地域での売り上げが全世界の売り上げの60~70%を占めたということです。海外の企業がアジア市場での影響力を向上させるための足掛かりとして、韓国関連のコンテンツを利用しているのではないかと分析されています。それに韓国の制作サイドでは、ドラマの制作費のことがあるので、間接広告はやむをえないという見方もあります。


ただ、過度な広告は視聴者の非難を買うことになります。しかも韓国で接することのないブランドとなると、視聴者の抵抗は強いようです。たとえば『ヴィンチェンツォ』にはビビンパが出てきました。カップラーメンならぬカップビビンパだったのですが、これが中国製のものだったことで、「いきなり中国製のビビンパが出てきて、ドラマに集中できなくなった」という批判の声が上がりました。韓国で売っていないものだったばかりか、韓国ドラマなのに海外のものが映ったのが、ドラマの流れの邪魔をしているというのです。


逆に、韓国のメーカーが海外のドラマに製品を登場させた例もあります。少し前になりますが、2019年にスペイン公共放送のテレビ部門であるTVEスペインが制作したドラマ『Derecho a soñar』に大宇(テウ)電子が、自社の冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い機を登場させたそうです。マドリードのローファームで働く人たちの物語で、全100話。すべての年齢層で人気のドラマだったということです。大宇電子は1994年にスペイン市場に進出していて、冷蔵庫と電子レンジでは現地でのシェアトップ3を維持していると、当時の記事では伝えていました。

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