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ライフスタイル

イ・ゴンヒコレクション

#マル秘社会面 l 2021-04-28

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

去年亡くなられた三星グループのイ・ゴンヒ会長の遺産に対する、遺族らの相続内容が明らかになりました。相続税の納付申告の期限が今月30日なので、ぎりぎりでの発表となりました。

今回の相続、特に世間の関心が集まるのはイ・ゴンヒ会長が所有していた三星グループ各社の株が遺族のうちの誰に、どれだけ渡るかということです。それによりグループ各社間の支配構造も変わってくるからです。

長男のイ・ジェミョン三星電子副会長が刑務所で服役中に相続の内容が発表されるというのも、何ともほろ苦いものを感じさせます。今日は株式の分配に関しては経済ニュースにお任せして、世界的なコレクションとも言われ、今回国立美術館に寄贈されることになったイ会長の美術コレクションについて詳しくご紹介しましょう。

今回の発表でイ会長の個人コレクションの美術品2万3千点余りが国立美術館などの国家機関に寄贈されることになりました。

三星側は昨年12月から 韓国画廊協会など3つの民間鑑定機関により、膨大なコレクションの時価評価作業を行ってきました。その結果、数量はおよそ1万3000点、時価総額は少なくとも2兆5千億ウォン以上であることが分かりました。


その内訳は書画、典籍類などの古美術品が1万点、韓国近現代美術品が2千点余り、西洋近現代美術品が900~1千点と推算されます。この中から、韓国近代期の名作美術品と19世紀末~20世紀初めの西洋美術品1千点余りが国立現代美術館に寄贈されることになりました。

韓国国内に美術館・博物館制度が導入されて以来、過去最大規模の寄贈事例となります。


具体的には韓国の近代美術の名作としては李仲燮(イ・ジュンソプ)の 代表作「黄色い牛」連作の一部と子どもたちの群像画および銀紙画 、朴寿根(パク・スグン)の「座っている女性」「木と二人の女性」をはじめとする田舎の人々の連作と「裸木」連作、 さらに海外の作品としては印象派の画家モネ、 巨匠ピカソなど近代西欧画家の巨匠らのA級作品も含まれています。


ハンキョレ新聞の報道によりますと、近代美術史の専門家であるユン・ボムモ国立現代美術館長がサムスン側の収蔵庫の作品リストを見て寄贈する作品を選び、これをもとに約2カ月に渡って作品の選定と記録、引渡し作業が行われたということです。しかし、これについてユン館長は「サムスン側から寄贈対象リストを受け取って確認しただけで、私が直接作品を一つ一つ選んではいない」と述べています。


またコレクションは国立美術館だけでなく大邱(テグ)美術館、全羅南道立美術館など、一部の地方美術館にもその地方出身の大家の作品が寄贈されることになります。


三星グループはすでに先代のイ・ビョンチョル会長の時代から美術品のコレクションを集めており、そのコレクションは龍仁のエバーランド内にある湖厳美術館におさめられています。またソウルの漢南洞には三星文化財団によるリウム美術館もあります。


国立現代美術館の学芸員として働いたある美術史研究者は「これまで国立現代美術館は近現代美術の名品の所蔵量と質的な水準ではサムスンのリウム美術館とは比較にならないほど劣勢にあった」とし「今回、韓国と西洋の近代美術の名品が大量に寄贈されたことで、韓国近現代美術史における名実ともに最高のコレクションであり、世界屈指の美術館となることができるだろう」と語っています。


寄贈されたコレクションがいつ一般の人々に公開されるか、コロナ禍の今はまだ不透明だとは思いますが、公開された日には韓国国内だけでなく、世界中から見に来る価値のある展覧会になると思います。

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