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オリンピックは閉幕しましたが、韓国はまだその熱が冷めやらず相変わらずいろいろなニュースが流れてきます。ということで、今週も東京オリンピックに出場した韓国選手についてご紹介したいと思います。

１.　近代５種　チョン・ウンテ

今回のオリンピック、最後に韓国にメダルをもたらしたのが近代５種のチョン・ウンテ （全雄太、26歳） 選手でした。正直、近代５種でメダルを取ると期待していた韓国人は関係者以外がいなかったと思います。それほどのマイナー種目でした。

近代５種はフェンシングと水泳、馬術と射撃、ランニングの5種目を一人の選手が一日で行う競技です。韓国は1964年の東京大会からこの種目に出場してきましたが、これまでの最高成績は11位。1996年のアトランタ大会、2012年のロンドン大会でそれぞれ11位になったことがあります。

それが今回はチョン・ウンテ （全雄太） 選手が３位、チョン・ジンファ（ 鄭振和 ）選手が4位に入賞しました。チョン・ジンファ選手はチョン・ウンテ選手より20秒遅れて決勝ラインを通過しました。

彼等はランニングから馬術まで一度に訓練できる慶尚北道聞慶市内の韓国軍体育部隊で練習してきました。飲食店に行くには車で20分はかかる、人里離れた場所にある訓練場です。二人はこの5年間、聞慶にこもって過ごしたといいます。午前6時からランニングを手始めに5種目をすべて練習し、夜9時までウエイトトレーニングを続けるという練習スケジュールを毎日欠かすことなく続けてきました。

馬術まである近代5種、何か紳士のスポーツのような気がしていましたが、そうではなく戦う戦士のスポーツだったんですね。

２.　スポーツクライミング　ソ・チェヒョン

今回初めてオリンピック種目になったスポーツクライミング、韓国からは18歳の高校生

ソ・チェヒョン(徐采鉉、18・新亭高)選手が出場しました。ソ・チェヒョン選手はスポーツクライミング複合の決勝に進出し、総合8位の成績を残しました。

スポーツクライミング複合は15メートルの高さの斜面を素早く駆け上がるスピード、4.5メートルの高さの壁の多様な人工構造物をロープなしで通過するボルダリング、15メートルの高さの壁に設定されたコースを登り、その到達高度を競うリードの3種目の合計成績で順位が決まります。

日本をはじめベテラン勢がメダルをとるなか、高校生のソ・チェヒョン選手の姿はひと際、若く見えました。しかし高校生でも彼女はベテランでした。生後100日を過ぎたころから父親におんぶされて山に登っていたそうです。父のソ・ジョングクさんは元アイスクライミングの韓国代表、そして母親もロッククライミングの同好会に入っていました。そうした両親と一緒に5歳頃から遊び場に行くように壁を登っていたそうです。

小学校5年生からは学校が長期の休みに入ると、登山のために海外に行きました。ギリシャのカリムノスなど「ロッククライミングの聖地」を一つずつ征服していったそうです。父のジョングクさんは「自然の岩を登ることで、チェヒョンは精神力と技術、謙虚さを身につけることができるようになった」と語っています。

そして高校入学後、クライミングの選手になると将来の進路を決め、本格的に競技を始めました。3時間の体力トレーニングに加えて3－4時間の登山訓練も毎日行ってきました。2019年にシニア大会への出場資格（15歳）を得ると、すぐにリードのワールドカップに出場、金メダル4個、銀メダル1個、銅メダル1個を獲得しました。 　

そのためまだ高校生とはいえ、スポーツクライミングの世界ではキャリア10年を誇るベテランなのです。スポーツクライミングの選手はホールドを握って上っていくのですが、毎日毎日練習しているとだんだん指紋がなくなってくるそうです。そのため出入国の際の指紋認識ができないほどです。

帰国後、ラジオに出演した際には「運動選手にとって夢の舞台がオリンピックです。初めて正式種目になった舞台に出場でき本当に光栄なことだと思いました。そして決勝にも進出できてよかったです。コロナ禍で室内体育施設が閉じられた時には、地方に行って運動したりしました。今日もこれから普段通りに運動し、来週からは学校にも行く予定です」と語っていました。

帰国した選手たちは今週からはそれぞれの日常に戻っていきます。そしてまた次なる目標，３年後のパリオリンピックへと目標を定めていくのでしょう。