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ライフスタイル

第618話 コンテンツの韓日戦はウィンウィンの関係?

#アジュンマの井戸端会議 l 2021-08-17

玄海灘に立つ虹


OTTサービスの代表格であるネットフリックスが、最近、2つのオリジナルコンテンツを相次いで公開しました。まず7月23日に韓国の作品『キングダム: アシンの物語』(以下『キングダム』)を、そしてその1週間後には日本映画の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(以下『るろうに剣心』)を世界に向けて配信したのです。どちらも漫画が原作で、ファンタジー系時代劇であることが共通しています。OTTでの順位チャートを提供する「フリックスパトロール」によると、公開された最初の週に『キングダム』は全世界で視聴の多かった映像物2位、『るろうに剣心』は4位でした。僅差で韓国の作品のほうが観た人が多かったといえますが、これで勝敗を分けることにはならないようです。


地域別の順位をみますと、『キングダム』は台湾、ベトナムなどの東南アジアやインド、中東地域で1~5位をつけて、優位を占めていました。一方、『るろうに剣心』のほうはドイツ、スペインを中心としたヨーロッパ地域で、『キングダム』より2~3ランク上でした。ブラジルとアルゼンチンではともに3位でした。ネットフリックスの関係者は、「南米地域はもともと日本文化のマニアが多いところだが、この数年でKPOPを中心とした韓流ファンも急増した」として、「人口も多く、コンテンツの消費が盛んな南米で、『キングダム』と『るろうに剣心』ともに人気を得たおかげで、全世界の順位でも健闘したのではないか」と話しています。 


日本漫画のマニア層が厚いアメリカでは、『るろうに剣心』のほうが順位が上でしたが、韓国系住民の多いカナダでは『キングダム』のほうが圧倒的に人気が上でした。興味深いのは、『キングダム』は日本で1~2位を争う人気でしたし、『るろうに剣心』も韓国で1~2位を争うほどの人気だったことです。日本に10年以上の韓流ファンがいるのと同じく、韓国にも、10代の時から日本文化のコンテンツを享受してきた30~40代のマニア層がいるからだと分析されています。『キングダム』と『るろうに剣心』に関するネットフリックスの視聴データをみますと、共通点が多いです。国別に2~3ランクの差はあるものの、『キングダム』が人気のある地域では『るろうに剣心』も人気を集めています。いずれも80余りの国でベスト10に入りましたが、このうちの79ヶ国が重なっています。


一方、テレビドラマでも、韓国と日本の作品が見せている傾向が似通っています。TV朝鮮のドラマ『結婚作詞 離婚作曲』は、日本をはじめ香港やシンガポール、台湾、ベトナムなど11か国で視聴順位10位内に入りました。日本のネットフリックスオリジナルドラマの『全裸監督』が10位内に入っている国も重なっていました。7月にもっとも視聴の多かった韓国ドラマ5つと日本ドラマ5つを比較したところ、人気のあった国の80%ほどが重なったということです。文化評論家のキム・ホンシクさんは、「韓国と日本が対外的にはライバル意識を持っているのかもしれないが、文化的には異なる点より似ている点のほうが多い」として、「韓国と日本のコンテンツ業界は、アメリカやヨーロッパの韓流ファンが日本のコンテンツも共に消費し、日本文化のマニア層が韓国のコンテンツを楽しんでいるという形になっており、相互補完的なウィンウィン(win-win)関係に近い」と話しています。 

(東京オリンピックが終わったものの、コンテンツ業界の韓日戦はまだ続いているという内容の朝鮮日報の記事をもとにおしゃべりしました)

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