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ライフスタイル

鳥の糞と太陽光パネル

#マル秘社会面 l 2021-09-15

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

日本では散歩中の犬の尿で信号機の電柱が根元から折れるという事故が起きましたが、韓国では太陽光パネルが鳥の糞で真っ白になり、中には腐食する箇所まであり問題になっています。

朝鮮日報の報道によれば、全羅北道郡山市の広大な干拓地セマングム防潮堤の内側にある湖に設置された数百枚の太陽光パネルが鳥の糞に覆われて真っ白になっているといいます。このパネルは環境に優しいスマートエネルギーのテスト事業を行うために設置されたもので、中には腐食しているところもあると言うことです。

セマングム湖では、今年3月から韓国産業技術試験院の主導の下、水上太陽光に対する各種の研究が進められています。この太陽光パネルも、研究の一環として設置と解体、再設置が繰り返されています。 

ソウル大学のチュ・ハンギュ教授は「太陽光は年平均の利用率が15%程度と低い方で、パネルが汚れると発電量も大幅に減少するほかない」と説明しています。

現在このパネルは毎日掃除されています。 約240枚の太陽光パネルを毎日8人の作業員が放水装備を手に掃除しています。しかし掃除後5時間後には、またパネルは鳥の糞だらけになってしまいます。

政府は当初、セマングムの水上太陽光事業を進める際に「パネルは雨水で十分に洗われるため、別途の洗浄は必要ない」と説明していました。またソーラーパネルを化学物質が入った洗浄液で洗い流すと水質汚染が懸念されるという指摘に対しても「雨水ではなく地下水や水道水で洗浄すれば、そうした懸念にも対処できる」と述べていました。しかし、実際に試験事業を行ってみたところ、雨水で洗い流す程度では全然役に立たず、鳥の糞だらけという状況になってしまいました。

韓国政府の調査によれば、セマングム一帯には毎年数万から数十万羽の渡り鳥がやって来るといいます。海外では渡り鳥を追い払うために、レーザー光線を当てたり、大きな音を出してソーラーパネルに鳥が集まるのを未然に防いだり、パネル上部にワイヤを設置して鳥が止まれないようにするなどの方法がとられています。

しかし、環境に優しいことを売りとしている太陽光発電を進める過程で、数万-数十万羽の鳥にレーザー光線を当てたり、大きな音で追い払い、鳥が安心して休むことを妨害することが果たして適切なのかどうかといった批判の声も聞こえます。

現在はまだ試験事業の最中です。これが本格的な太陽光発電所となるにはこの鳥の糞との戦いにどう決着をつけるかがカギとなりそうです。

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