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ライフスタイル

第652話 変化する家族バラエティー番組

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-04-26

玄海灘に立つ虹

ⓒ KBS

家族を題材とするバラエティー番組に変化が見られています。


韓国には「家族」をテーマにしたバラエティー番組が多いのですが、その代表格がKBS第2テレビで放送されている『スーパーマンが帰ってきた』です。『スーパーマンが帰ってきた』は2013年11月から週に1度放送されている、父親の育児をテーマにした番組です。1泊2日の間、父親が一人で子どもの世話をするというコンセプトです。仕事が忙しく、育児を妻に任せっきりだった場合が多く、不器用ながらも子どもとコミュニケーションをとろうとする姿がときには笑いを誘い、ときにはほっこりさせられる内容になっています。育児のほかには、夫婦が出演し結婚生活で生じた不満や性格の不一致などを笑いを交えて披露するトークショーのような番組が人気があります。


最近では素材がさらに広がり、ひとり親家庭や再婚家庭が家族バラエティーの素材として脚光を浴びています。去年放送されたJTBCの『勇敢なソロ育児-私が育てる』は、いろいろな理由から一人で子どもを育てている芸能人たちが、互いの日常をみながら、育児のヒントや情報を共有する番組でした。出演者は女性(母親)が多かったのですが、ひとり親家庭における育児の難しさなどがリアルに描かれ、好評を博しました。


また、MBNの『ドルシングルス』(ドルシン:バツイチに当たる韓国語+シングルの人たちの意)は、いわゆるバツイチの男女が互いに心を開いていく過程が描かれたリアリティ番組で、おととしから去年初めまで放送されたのに続き、去年から今年初めにかけてシーズン2が放送されたほどの人気を誇っています。最近では、シーズン2で相思相愛になったカップルの再婚までの過程が、スピンオフとして5回にわたり放送されました。


成人ばかりではありません。MBNは、未成年の夫婦のリアルな日常を描いたリアリティ番組の放送を3月から始めました。『大人は知らないコディンオムパ(高校生のママパパ)』というタイトルのこの番組は、保守的な韓国社会ではかなり異例の内容です。単に10代で出産を経て家庭をなした人たちの生活を見せるだけでなく、性教育の講師やカウンセラーなどが出演して、幼い夫婦にいろいろなアドバイスをすることもあります。番組のプロデューサー、ナム・ソンヒョンさんは、「保守的な韓国社会に、こういう夫婦もいて、一生懸命生きているんだということを示したかった」と話します。また、「決してたやすくはなかった選択をし、責任を全うしている、息子であり娘であり、友人であり妹、弟でもある」として、「彼らが悩みや困難に打ち勝ち堂々と生活している姿、また彼らの辛さを番組を通じて知ることができる、さらに10代とその親世代が一緒に観れる番組になれば」と語りました。


韓国社会で家族は、再婚やひとり親、未成年などによって多様に構成されるようになっています。バラエティ番組が育児や夫婦というこれまでの型から抜け出し多様になっているのはそれだけいまの社会をきちんと反映していることになります。離婚した男女やひとり親によるリアリティ番組が放送されることに対する懸念の声もかなりありましたが、たやすく見聞きすることのできないような悩みをリアルに描いたのが高い評価につながりました。これからより多様な家族の形態が、バラエティ番組の素材になるのではないかと思われます。

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