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ライフスタイル

第656話 KBS『全国のど自慢』のMC、ソン・ヘさんについて

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-05-24

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP NewsKBSの『全国のど自慢』は1980年から続いている長寿番組です。

毎週日曜日に放送され、全国各地の住民たちが、歌だけでなく、司会者との掛け合いや時にはその土地の特産物を披露したりする、国民的な番組です。その司会を1988年から務めてきたのが、コメディアン出身のソン・へさんです。


そのソン・へさんが、34年間務めてきたMCを降りることになりました。ソン・へさんは1927年生まれ、95歳です。高齢ではありますが声にも張りがあって、積極的に出演者の人たちと触れ合う姿で愛されていましたが、長期化するコロナ禍で観客を入れた収録ができなくなり、『のど自慢』は再放送中心の放送が続き、ソンさんの姿をテレビで見ることはめっきり減ってしまいました。最近ではそうした再放送分をスタジオで観ながらトークをする形でソンさんは復帰を果たしていました。そのときのソンさんは、新型コロナへの感染も含め、体調を崩して入退院を繰り返していたのでだいぶ痩せてはいましたが、お元気そうでした。しかしこのときコンディションが完全に回復したわけではなく、長い間姿を見せないと視聴者に心配をかけるとして、ソンさんの、番組に出たいという意志が固かったということです。


ウィズコロナで公開収録が次々に再開されている状況で、『のど自慢』も本来の趣旨である全国を廻りながらの収録を再開せざるを得ず、公開収録は6月から再開されるのですが、最近の健康状態が負担だったことから、結局ソンさんは番組からの降板を決めたとされています。


ソンさんは、北朝鮮の黄海道(ファンヘド)出身で、韓国戦争中の1951年、南に逃れて家族と離れ離れになりました。北朝鮮のヘジュ芸術専門学校で声楽を専攻し、1955年、劇団を通じてコメディアンとしてデビュー、テレビやラジオで活発な活動をしてきました。1988年に『全国のど自慢』の顔となってからは、全国を廻りながら収録に臨み、KBSによりますと、ソン・へさんが全国の都市や村で迎えた観客は1000万人を超えるということです。 


ソン・へさんは、『全国のど自慢』の司会を務めてきた功労が認められ、KBS芸能大賞功労賞や大韓民国演芸芸術賞特別功労賞、ペクサン芸術大賞功労賞などを受賞したほか、大衆文化芸術賞 銀冠文化勲章を受章しました。KBSはソン・へさんの業績を記録として残すため、「最高齢テレビ音楽タレントショー司会」部門のギネス世界記録への登録を申請しています。世界最高齢のMCとして認定される日も近いのではないでしょうか。

(追記:現在は、一般参加者が歌を競うテレビ番組の最高齢司会者としてギネス世界記録に認定)

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