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ⓒ YONHAP News

世の中はロシアによるウクライナ侵攻などの影響で、インフレとなりスーパーに行っても、市場に行っても品物の値段が上昇しています。しかし唯一、値段が下がっているものがあります。米の値段です。

29日には全国農民会総連盟などの全国の農民団体が上京し、ソウル駅前で政府に「中長期的な米産業安定のための対策」を求める抗議集会を開き、その後、大統領執務室のある龍山まで行進しました。参加者9000人を超えたこの集会では「今月15日の産地コメ価格は20㎏あたり4万2522ウォンで、これは前年比23.6%も暴落した価格だ」と訴え、この20年間、コメ価格は停滞と下落だけを繰り返していると主張しました。また「農資材価格と人件費の暴騰で農民の負債も増えている。このままでは収穫期以後、農資材の購入費用と負債の返済の時期が来れば農民の生存権が脅かされることになる」と訴えました。

統計庁の発表によれば今年はこの4年間で米の産地価格が最も低くなっています。全国の米穀総合処理場に現在保管されている米はほとんどが去年秋に収穫されたもので、20㎏あたり5万3000ウォンで購入されたものです。農協は20㎏の米を売るたびに1万ウォンずつ損をしていることになります。また現在農協が保有している米の在庫は平年よりも70%ほど多くなっています。収穫の時期を迎え、倉庫の中の古米を処理しなければ新米を保管する空間も確保できません。

なぜこんなに米が余っているのか。去年が豊作だったこと、そして米の消費の減少が予想を大きく上回ったことが上げられます。コロナ禍で学校給食などでの消費が大きく減り、飲食店も同様でした。また需要よりも生産が多かったことも上げられます。統計庁によると去年の米の生産量388万トンでした。しかし需要量(推定値)は361万トンに過ぎません。生産量の6.9%にあたる27万トンが超過生産されたことになります。

さらに流通業者がその間、確保していた米を市場にだしたことも米価格の下落の一因です。穀物流通会社の代表は「在庫の多い地方の農協などが最近、投売りに近い価格で品物を売っている。今年の秋夕が去年よりも10日以上早いため、新米の出荷も早くなると予想され急いで在庫を処分したものと見られる」と話しています。

一方、消費者はどう思っているのでしょう。正直、消費者の手に渡る米の価格は下落していません。主要スーパーの米の消費者価格は一部値上がりさえしています。今年3月末の大型マートでの利川(イチョン)米10キロの値段は1年前よりも1100ウォン値上がりした4万6900ウォンでした。このマートでは「ホナム米20キロが1万ウォンほど値下がりするなど、価格が下落した品目もあるものの、平年と比較して全体的に10%ほど高い水準」だと言っています。米を原料として作っているレトルトご飯はむしろ今年大きく値上がりしています。韓国消費者院の調査によれば、今年4月の大型スーパーとコンビニなどでのレトルトご飯1個(210グラム)の平均価格は1982ウォンでした。1年前の1769ウォンよりも値上がりしていました。米価格は下落しても包装代や製造工程に必要な燃料などの価格が影響していると食品業界は説明しています。

では農民は今後どうするべきか。専門家は高品質のブランド米の生産を勧めています。実際に各自治体ではブランド米の生産と公報に力を入れています。しかし高品質の米を生産するには品種、農業方法、流通管理がすべて重要です。

米を食べ無くなって来たとはいえ、まだまだご飯は食卓の主役です。秋夕には新米もお供えしなくてはなりません。農家の皆さん、頑張ってください。

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