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第671話 「伝統的祭日にジョン(チヂミ)はいらない。むしろ礼儀に反する」

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-09-06

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

チュソクを前に、成均館(ソンギュングァン)が、チャレサン(チャレ(チュソクやソルに行う祖先を祭る儀式)のお供え物のこと)の簡素化策を打ち出しました。

成均館は朝鮮王朝時代の儒学教育機関で、今日も儒教と伝統文化の教育機関として運営され、儒教文化の保全に努めています。


その成均館が9月5日に行った記者会見で、チャレサン標準案として打ち出したチャレサン簡素化策の柱は2つです。一つは、ジョン(日本ではチヂミと呼ばれるをつくるのに大変な思いをしなくてもよい、もう一つはお供え物は多くて9つだけあればよい、というものです。日本のサイトでチャレサンを検索しますと日本語でチャレサンの説明が出てくるのですが、そこには20種類を超える食べ物がお供え物として用意される、と書いてありました。地域や家庭によって違いはありますが、お供え物はどうせ集まった家族が食べるものですし、多ければ多いほど良いとも考えられてきたのも事実です。


チャレサン簡素化策によりますと、チャレサンのお供え物の基本は、ソンピョン(チュソクに食べられている伝統的なお餅)、ナムル、クイ(焼き物)、キムチ、果物、お酒の6つで、これに追加するなら、肉類、魚、お餅の、多くても9つまでとしています。成均館側は、「礼の根本的な精神が書かれた儒学の経典「礼記」によると、大きな礼法は簡略でなければならない(大礼必簡)とある」として、「祖先を祭る気持ちは食べ物の数にあるわけではないので、たくさんお供えしようとしなくてもよい」としました。また、「油で揚げたり焼いたものをチャレサンにお供えする必要はない」としています。つまり、お供え物の準備でもっとも時間と労力がかかる油もののジョンをつくらなくてもよいと言っているのです。


油ものについての記録は、朝鮮王朝時代中期の学者、キム・ジャンセン(号:沙溪)先生の「沙溪全書」の第41巻に疑禮問解として出ているとして、油ものを用いてチャレを行うのは礼儀ではないと書かれているということです。


もともとチャレなどの儀式は儒教の名残で、成均館は記者会見で、このことについても言及しています。まず、「儒教は朝鮮王朝500年の間、非常に強い影響力を持ち、冠婚葬祭の文化を主導してきたものの、現代化の過程で、昔のものを守ること、形(形式)を強調しすぎてしまった」として、「その結果、儒教に対する国民の認識が、否定的なイメージとして定着してしまった。伝統的な祭日になると「名節症候群」、「男女差別」という用語が飛び交い、祭日を含む連休が終わったら離婚率が増加するとされる現象が儒教のせいだという罪を被ることになった」と顧みています。


さらに、「チャレは子孫の誠意が込められた儀式であるのに、準備が苦痛になったり家族の仲違いの原因になるのなら、望ましい方向ではない」として、「儀礼正立委員会をつくって9回の会議を経てチャレ標準案を発表するに至った」と述べました。この日読んだ会見文は反省文になると話した、成均館儀礼正立委員会委員長は「儒教のチャレ簡素化を公式に発表したのは今回が初めて」だとして、「チャレを行わないよりは簡素にでも行ったほうが望ましいのではないか」としました。

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