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韓国歌謡界がMZ世代（1980年代～2000年代初めまでの出生者）の関心を引くことに総力を挙げています。

この世代はSNS上でのコミュニケーションに強みを持っており、そうした活動的で積極的な傾向をマーケティングに活かそうとしているのです。

新型コロナウイルスの感染防止策が緩和された今の時点で、そういった意味で歌謡界が関心を持っているのは、大学祭です。いま大学では秋の大学祭が開催されているか、準備が盛んに行われているところです。一部の大学ではこの春に大学祭を行いました。韓国では大学祭には歌手やアイドルグループの公演が行われるところが多いので、常に注目されています。この春も多数のアーティストが参加し、学生たちが撮った公演の画像が大きな話題になりました。PSYやRed Velvetのジョイなどの公演の模様が撮影された多様な画像が数百万回再生されています。

マーケティングに活用されるようになったのは、こうした、MZ世代の「自発的再生産」に業界が注目するようになったからです。オフラインの公演に対する需要が高まる中、観客が直接撮影してアップロードするコンテンツなどによるマーケティング効果が大きいとみているのです。芸能事務所の関係者は、「単独コンサートはファンのための公演であるが、大学祭は大衆的に知名度を上げ、幅広い反応を得るのに適している」として、「大学祭で生まれたコンテンツも同じく、ファンに限らずさらに広範な対象の目に留めてもらえるので、プロモーション効果が大きい」と話しています。

この秋は春より２～３倍多くの大学で大学祭を行ったか、あるいは行うことになっているため、人気歌手を出演させるための競争もより激しくなっています。そうしたオフラインでの盛り上がりがオンラインにもつながるため、大学祭が新たなマーケティングの場として認識されるようになったというのです。

ただ、大学祭の公演は在学生以外の人が入場するのはなかなか難しいものがあります。どこの大学でも在学生ゾーンを設けていて、在学生の観覧を優先させているからです。なかには在学生と一緒なら入場できるというところもありますが、そもそもチケットを手に入れるのが容易ではありません。そのため、インターネット上には、どこの大学にどの歌手が出るのか、チケットの入手はいつからでどんな方法になるのかというような情報がまとめてあるブログなども少なくありません。３年ぶりに開かれる秋の大学祭ということで、ダフ屋も出現しているということです。それにチケットを買えなかった人たちが中古取引サイトなどを通じてチケットを高額で買おうとする場合もあるそうです。新型コロナによる規制措置が続いたせいで、大学祭が初めてという学生たちも大勢いるでしょうし、期待が高まるのはわかりますが、オーバーヒートする気持ちを落ち着ける必要もあるのではないでしょうか。