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ライフスタイル

第678話 ピ(Rain)の青瓦台での公演が規定違反の優遇措置?

#アジュンマの井戸端会議 l 2022-10-25

玄海灘に立つ虹

ⓒ Netflix, YONHAP News

歌手のピ(Rain)が、6月17日夜、青瓦台で公演を行いました。

青瓦台は今年5月から一般開放されていますが、歌手の単独公演が行われるのは初めてのことでした。


この公演は、ネットフリックスのリアリティーショー『テイクワン(邦題:TAKE ONE ~マイ・ラスト・ソング~)』にピが出演したことで行われました。この番組は、「著名なミュージシャンが、自分にとって大切な1曲を選び、完璧なパフォーマンスを披露する。制限も条件も一切なし。ただ一つ、1テイクで撮るということ」と紹介されています。ピの他にも、チョ・スミやMAMAMOOなど世代を網羅する韓国のトップアーティストたちが出演していて、それぞれ自ら選んだ1曲の公演を丹念に準備し、ただ1度だけのステージを完ぺきに披露するために練習する過程、そして実際にワンテイクで撮ったステージの映像が、10月14日、番組で公開されました。ピは自ら青瓦台での公演を希望し、制作チームが韓国政府(文化財庁)と交渉を行い、許可を得た状況が番組にも出ていました。


ところが、このピの青瓦台での公演が物議をかもしています。国会文化体育観光委員会に所属する野党議員が、国政監査のために文化財庁から提出された資料で、「営利行為が含まれる場合、青瓦台内部での撮影を許可しない」という青瓦台観覧のための規定に、別途に附則(ふそく。規則を補うために付け加えられた規則)が制定されたのは、ピの撮影を許可するための変則的な措置だったと指摘したのです。青瓦台観覧のための規定は6月7日に制定され、同じ月の6月12日から施行されたもので、ピの公演と撮影は6月17日に行われました。当初の規定であれば、商業的なコンテンツの17日の撮影は不可能な状況でしたが、文化財庁が附則に、「関連規定は6月20日以降に申請を受けた件から適用する」という内容を加えたことで、公演が許可されたと、KBSをはじめとするメディアで報道されたことで、公けになりました。


さらに、ピが今年5月に制作スタッフや文化財庁の担当者の案内を受け、大統領の執務室の中に入り、公演についてのいろいろなアイデアを出しながら動線をチェックする様子も番組で見ることができましたが、このことについても、規定に反しているという指摘がありました。こうした指摘に対して、文化財庁は、「青瓦台観覧のための規定で、第10条に当たる撮影許可は、撮影日の7日前まで、第11条に当たる場所使用の許可は、使用日の20日前までに申請書を提出するようになっている」として、「第10条は6月12日から7日が経過した6月20日から、第11条は20日が経過した7月3日から適用するよう猶予期間を附則で定めたもの」だと説明しました。猶予期間を設けるのは規定を制定する原則上至極当然の措置であり、特定の件を優遇するためのものではない」と強調しました。


また、ネットフリックス側の撮影を許可したのは、「一般開放された青瓦台の姿を、190ヶ国余りに発信されているOTTサービスを通じてPRする目的だった」とした上で、撮影前に関係者同士で綿密に協議を行い、ステージの設置から撤去に至るまですべての過程を徹底的に監督するとともに、施設の毀損や人身事故などがないよう運営管理に万全を尽くした」と説明しました。実際、テイクワンのプロデューサーのキム・ハクミン氏は制作発表会で、「撮影の過程で青瓦台本館の内部に新たにカーペットを敷き、芝生保護材を使うなど、破損などがないように気を使ったが、それが一番難しかった」と話しています。


公演には、応募総数25000人の中から選ばれた1000人が参加し、ピのステージを観覧しました。ただ、無料公演だったこともあり、ピ個人の営利を目的にした活動だったとは言い難いのではないかという意見もあります。また、ネットフリックスは有料の動画配信サービスではありますが、ピの公演を通じて商業的な利益を追求したと見なすのも難しいものがあるという指摘もあります。

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