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ライフスタイル

第2の中東ブームとなるか 

#マル秘社会面 l 2022-11-30

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

1970年代、韓国の建設会社は中東に進出し道路を築いたり、各種プラントを作ったりしました。そして大勢の韓国のお父さんたちが中東に出稼ぎに行きました。当時の様子に関してこんな逸話が伝わっています。当時、中東に進出した韓国企業は、夜に数百のたいまつで明るくしながら24時間・3交代で工事を進め、これを見たサウジアラビアの国王は韓国に多くの工事を任せるよう指示したという。1975年に7億5000万ドルにすぎなかった建設受注額は1980年には82億ドルへと10倍以上に増えた。このエピソードは「たいまつ神話」と呼ばれ、韓国人の勤勉性と誠実さを表す話として広く知られている。

それから50年近くが過ぎた今、韓国に第2の中東ブームが起きようとしています。今月17日に韓国を訪問したサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は短い訪韓期間に韓国企業と計300億ドル規模の事業契約および業務協約(MOU)を締結したと伝えられています。そしてサウジが勧めようとしているプロジェクトが砂漠の真ん中に環境に優しいスマートシティを建設するという「ネオム(NEOM)」シティプロジェクトです。ネオムシティはソウルの44倍の面積にスマート都市を建設する超大型プロジェクトです。シティは自給自足型直線都市「ザ・ライン(THE LINE)」、海上先端産業団地「オクサゴン(OXAGON)」、エコ観光団地「トロジェーナ(TROJENA)」などで構成されます。

1970年代の中東ブームの際には主に建設会社が中東に進出しましたが、今回はもっとその枠が広がっています。 韓国企業はインフラ建設、情報技術(IT)サービス構築、交通、エネルギーなどへ進出しようとしています。すでにサムスンはサムスン物産・現代建設コンソーシアムを構成し、ザ・ラインのトンネル工事を受注しました。また人工知能(AI)、超高速移動通信網などITインフラ構築事業にも参加する可能性があります。そしてヒョンデは次世代航空交通(AAM)・ロボット・自動運転、SKは超高速移動通信網・エコエネルギー、ハンファは太陽光・都市航空交通(UAM)への進出を計画しています。ビン・サルマン皇太子は財界との懇談会の席で


「エネルギー、防衛産業、インフラ・建設分野で韓国との協力を画期的に強化したい」と述べました。

「ネオム(NEOM)」シティプロジェクトに関しては、その中核となる直線型都市「LINE」の概要が明らかになっています。LINEは幅200m、高さ500mの建物が全長170kmに渡って壁のように連なる新しいコンセプトの都市です。LINEは再生可能エネルギーのみで運営され、道路はなく、車も走らないため、炭素排出量はゼロとなります。移動には、徒歩5分以内でアクセスできるLINE内を走る高速電車を利用し、この高速電車は端から端までわずか20分で走行します。LINEを中核とする「ネオム(NEOM)」シティプロジェクトは新しい産業都市の建設を目指し、総面積は2万6500km2に及びます。その広さはベルギーの国土に匹敵し、NEOMは自然との調和を重視しており、敷地内の自然の95%がそのまま維持されます

ムハンマド皇太子は「LINEの垂直的なデザインは従来のフラットで水平的な都市への挑戦で、自然の保護と居住空間の快適さを両立させるモデルになるだろう」と強調しています。

このプロジェクトにはアメリカや日本も参加すると見られています。砂漠の真ん中に築かれる未来都市と、それを建設する韓国のお父さんたち。第2の中東ブームの再来となるのでしょうか。

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