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ライフスタイル

志願者0人の地方大学

2023-01-18

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

韓国の大学入試、終盤を迎えていますが、地方の大学の中には定員割れのところも多く、問題が深刻化しています。2023年度の大学入試で地方所在の大学の場合、志願者が1人もいない学科も出ています。そのため地方の大学は新入生の誘致に奮闘しています。では具体的にどんな対策をだしているのか

光州所在の私立A大学の場合、2023年度入学の新入生全員にアイパッドなどのスマート機器の購入名目で60万ウォンを支給します。また合格後入学までに資格証を取得したり語学で高得点をとればさらに現金が追加支援されます。

太田所在の私立B大学の場合、随時募集の合格者全員に入学すれば奨学金支援の名目で100万から150万ウォンが支給されます。また首都圏の学生には登下校のためのスクールバスを提供し、1700人が収容可能な寄宿舎にも優先的に入れます。

慶尚北道のある大学は、友人と一緒に入学すれば学生1人当たり50万ウォンを支給するというアイデアも出しました。このような各種支援は韓国人学生だけではなく、外国人留学生にもあてはまります。大学の関係者は東南アジア、中央アジアなどの現地を直接訪問し、入学説明会を開き、弘報に力を入れています。また大学だけでなく、地方自治体、政府レベルでも大規模な「オンライン博覧会」を開催して留学生の誘致に努めています。

このように新入生の誘致が必要な地方大学の教授の中には、「入試の季節に学生の募集に高校の職員室に行くと、パンフレットはそこに置いていってくださいと、まるで何かの営業にでも来たかのように扱われる」とSNSに書き込んでいる人もいます。

大手入試予備校が発表した2023年度の志願者0人だった学科は14大学の26学科でした。4年前の2020年度には志願者0人の学科は3個に過ぎませんでした。 

地方大学の教授たちは地方大学が生き残るためには革新教育の導入を通じた「競争力の強化、中央政府レベルの就職支援政策が必要だ」と主張します。また学齢人口と地方人口の減少が最も大きな原因だと指摘する声もあります。教育専門家は「何よりも学生たちに卒業後成功できるという確信を植え付けることのできる大学が多くならなければならない、特化された競争力を地方大学自ら確保することが何よりも大切だ」と指摘します。

では韓国と同様に人口の減少、地方から都市部への人口の流入が続く日本の事情はどうでしょうか。木村誠氏の「20年代、大学新時代」にはこんな記述がありました。

『この5年間、3大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫)の大学の入学定員充足率は100%を上回り、2022年は102.06%であった。ところが、3大都市圏以外では北海道・宮城・福岡などを除き、2年続けて100%割れの県が多い。だいたいの構図としては、大きな有名私大のない地方が苦戦しているという傾向である』

定員割れをしている大学が日本でも地方の大学には多いようです。しかし面白いのは政府の対応が韓国とは全然違うことです。日本ではこれまでは少子化を理由に認めていなかった大学の定員増を認めることにしたのです。対象は東京圏以外の国立大学です。地方では大学進学者の受け皿が都市部に比べて少なく、それが理由で人材流出が進んでいると見ています。例えば大学が2校の島根県では、入学定員1600人に対して、進学希望の学生は2800人です。しかし国立大の定員増加に対して地方の私立大学は危機感を抱いています。

特色のある大学づくり、地元の産業と協力した人材開発などは日本でも韓国でも同じだと思います。韓国の場合、奨学金などとにかくお金を出せば学生がやって来ると思っているふしがあります。 それだけでは決して学生は集まらないと思うのですが。

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