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ライフスタイル

AI(人工知能)の創造と問題点

#マル秘社会面 l 2023-02-15

玄海灘に立つ虹

ⓒ Getty Images Bank

ある文学翻訳賞の新人賞を受賞した人が翻訳の過程でAIを利用していたことが明らかになり問題となっています。昨年12月、韓国文学翻訳院が主催した「2022韓国文学翻訳賞」でウェブトゥーン部門の新人賞を受賞した日本人女性が、その後 日本語に翻訳する過程でネイバーの翻訳機「パパゴ」を利用していたことが分かりました。この女性は「最初から最後まで作品を一通り読んだ後、より正確な翻訳のためにパパゴを辞書の代わりに使用した」「作品がシャーマンを主人公にしているため、不慣れな用語と概念が多く、論文資料などの調査を通じて用語と流れを把握した。その後、作品の流れに合わせて細部修正を加え、翻訳を完了した。AIを利用した下訳という認識はなかった」と話しています。今回の件に関して主催者側の韓国文学翻訳院の関係者は「新人翻訳家の発掘という賞の趣旨に合わせて、今後はAIなど外部の力を借りずに自力で翻訳をするという規定を設け、受賞作は確認をとるなどの制度的な補完を行う」と述べています。

AIの能力は作曲の分野にまで進出しています。作曲AIの「イボム」は80年代のディスコ曲と注文すればあっという間に数曲の曲を創作してくれます。実際に「イボム」が作曲した「愛の24時間」という曲は音楽サイトで聞けます。しかしその際に著作権料は発生しません。著作権法上、著作物とは人間の思想や感情を表現した創作物という制定があるからです。作曲AI「イボム」の開発者は「AIの開発には多くの人材と費用、そして時間がかかります。著作権に対する裏付けができれば技術や産業もさらに発展できるでしょう」と語ります。美術分野でもAIが賞をとり、個展を開くなど、活発に活動しています。またアメリカの新興企業オープンAIが開発した人工知能型チャットボット(自動対応システム)「チャットGPT(ChatGPT)」も大きな話題になっています。

企業の投資審査を担当しているキムさんは最近、話題になっているチャットGPTに投資審査対象となっている電子装備会社に関連したいくつかの情報を入力し、審査委員会の予想問題30個を作らせました。その結果、審査委員たちが作ったのとほとんど同じ問題が作れたということです。また高校生が英作文でエッセイを書く宿題にGPTを使ったところ、学校から0点をつけられたという話もありました。独自性がないというのがその理由でした。

韓国のAIスタートアップ企業の代表は「すでにあちこちでAIを利用した代筆、パクリ作品を洗い出すプログラムが開発されています。AIが提供する日常生活の便利さから、著作権と関連しない分野に関しては政府も認める動きがでています」と最近の状況を説明します。また学界でもAIの問題点は認識しているものの、全面的に禁止することは根本的な解決にはならないとしています。メディア工学科の教授は「チャットGPTをみて、こんなに多くの人々からいろいろな反応を引き出したサービスがこれまであっただろうかと驚いています。学者たちの長い間の研究はその一部が入れ替わるでしょうし、教授たちが学生たちから受け取るリポートはもう意味のないものになるかもしれません。さらには音楽を作詞、作曲する人々の存在も危うくなるでしょう。これは単純にGPTにより起こるいくつかの事例の話だけではありません。すべての人々が急速な変化を迎えることになるでしょう」と展望しています。

最後にチャットGPTのようなAIが起こすだろう問題点を整理すると次の5つです。課題・試験などの不正行為、嫌悪発言・性的人種的な偏見の拡大、各種創作物などの情報の無断盗用、偽のニュースや情報の拡散、AIの作った作品の著作権問題。新しい時代の開幕がそこまで来ているようです。

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