メニューへ 本文へ
Go Top

ライフスタイル

ことば:文脈によって意味が変わる動詞

#ソウル・暮らしのおと l 2023-03-10

金曜ステーション

ⓒ Getty Images Bank今日はことばシリーズです。

韓国語を勉強して、簡単な会話が聞き取れるようになると楽しくなってきますよね。

ところで、日常会話でよく使うことばでは、辞書とはちょっと違う意味合いで使われたり、複数の意味を持つ動詞がよくあります。日本語に直訳すると、とんちんかんな意味になってしまい、韓国語を習いたてのころによく間違えがちなことばです。いくつか例をご紹介しましょう。


1)「보다(ポダ)」:「見る」という意味の動詞。사진을 보다(写真を見る)、창밖을 보다(窓の外を見る)など、使う頻度の高い単語です。ところが、もう一つよく使われるのは「(人などに)会う」という意味。たとえば、歌詞などにもよく出てくる「보고싶다(ポゴシプタ/~シプタは「~したい」)」。これは人間が対象の場合は「会いたい」と言う意味になります。너를 보고싶다は「君に会いたい」。「見る」と「会う」で文脈によって意味が変わってきます。


2)「잡다(チャプタ)」:「取る、掴む」という意味。물고기를 잡다(魚をとる)、손을 잡다(手を握る)というふうに使います。ところが他にもさまざまな意味があります。例えば「抑える」という意味では「냄새를 잡다(匂いを抑える)」「물가를 잡다(物価を抑える)」など。また、「直す、整える」という意味では「자세를 잡다(姿勢を整える)」「균형을 잡다(バランスを整える)」など。どんな単語につくかによってかなり幅広く意味合いが変わる動詞です。


3)「챙기다(チェンギダ)」:「取り揃える、準備する」という意味ですが、非常に多様な意味で使われるため、日本語に翻訳しにくいことばです。짐을 챙기다(荷物を準備する)などというのが一般的な使い方ですが、他には「面倒をみる、世話をする」という意味もあります。「가족을 챙기다(家族の面倒をみる)」、また「健康に気を付けて」という意味で「건강 잘 챙기세요」という挨拶もよく使います。また、まったく違う意味で「自分のものにしてしまう」と言う意味も。「거스름돈을 챙기다」は「お釣りを着服する」という意味になります。


4)「끝내다(クンネダ)」:「終わらせる」という意味ですが、~주다(~ジュダ「~してくれる」)という助動詞がついて「끝내주다(クンネジュダ」という場合、「素晴らしい」「最高!」という意味になるんです。「경치가 끝내주다(景色が最高だ)」、「맛이 끝내주네요 (すごく美味しい)」 というふうに使います。これはちょっとスラングっぽく、「後に続くものがないくらい素晴らしい」という意味で使われるようになったようです。


以上、いずれも日常の中でとてもよく使われるものの、文脈によって意味合いが変わる動詞です。これこそ教科書よりも会話などの中で身につける言い回しかもしれません。日本語で意味を考えると、ちょっと混乱してしまうかもしれませんが、使いこなせるようになるとより自然な韓国語として表現できると思います。

おすすめのコンテンツ

Close

当サイトは、より良いサービスを提供するためにクッキー(cookie)やその他の技術を使用しています。当サイトの使用を継続した場合、利用者はこのポリシーに同意したものとみなします。 詳しく見る >