ⓒ Getty Images Bank「一人で食堂で昼食を食べようとしたら断られた」、「お一人様お断りの貼り紙がしてあったので、他の食堂に行った」

最近、お昼休みなどのピークタイムに一人では入れない食堂が増えているという記事をよく目にするようになりました。飲食店としては、ピークタイムにできるだけ多くの人に食べてもらって売り上げを上げたいと思うからでしょう。

個人主義的な傾向が強い若者たちが増えていることで「お一人様」も増え、一人でも入れる食堂が増えていましたが、人件費やエネルギー費用の上昇など経済状況が一変していることで、最近ではお一人様お断りの食堂が出てきています。こうした食堂はほとんどが、規模がそう大きくなく、オフィス街にあり、平日の昼など限られた時間帯にほとんどの売り上げを上げている、そんな食堂ばかりです。一人で食べに来る人はだいたい、スマホで動画などを観ながらゆっくり食べている人が多く、

回転率を上げるにはお一人様を断るのも致し方ないというのが飲食店側の主張です。普通２人から４人の複数人が座れるテーブルに一人で座られたら、他のお客が座れないので困るというのです。

それなら合席をすればよいのではないでしょうか。この話題については複数のメディアが扱っていましたが、いずれも合席については言及されていませんでした。合席、そういえば韓国の食堂では余りしたことがないような気もします。合席についてはこんな記事もありました。2021年の３月と少し古い出来事になりますが、合席を断ったお客を、飲食店側が店から追いだしたというものです。食堂で一人でお昼を食べていた若者が、お店の人から、他のお客と合席するよう頼まれたものの、当時コロナ禍で、合席はちょっと…と断ったそうです。そうしたら、合席できないのなら出て行ってほしいと言われた上、コロナが心配なら外でご飯を食べなければいいじゃないか、などと言われたのだそうです。

他にもいろいろな記事を読んでみたところ、コロナ以前は合席がかなり自然に行われていましたが、コロナ禍になってから、社会的距離の確保などの規制もあり、合席がなくなっていった、そしてその状況に慣れた人たちが合席をしたがらないようになり、お店のほうでも合席を勧めることができなくなった…という感じのようでした。合席というのは基本的に望まれず、お店としてもお客にはできるだけ要請したくないものであるようです。コロナ感染が今よりはるかに盛んだったころは、ネット上の掲示板に、お店のほうから席を移るように言われ気分を害した、などという書き込みもよくみられ、それについて様々なコメントが並んでいるのをみることができました。コロナに関する規制もだんだんなくなってきている中、合席についての考え方が改められ、お店の人もお客も気兼ねなく食事ができればいいなと思います。