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ライフスタイル

東海の海底地震と原発

#マル秘社会面 l 2023-05-17

玄海灘に立つ虹

ⓒ YONHAP News

韓国で地震が続いています。日本語放送で今年になってお伝えしたニュースだけでも3本もありました。

425日午後356分ごろ、江原道(カンウォンド)東海(トンヘ)市の北東50キロの沖合で、マグニチュード3.5の地震が発生しました。震源の深さは33キロと推定されています。

5月8日午後751分ごろ、江原道(カンウォンド)東海(トンヘ)市の南南東4キロの沖合で、マグニチュード2.5の地震が発生しました。震源の深さは17キロと推定されています。

515日午前6時半ころ、韓国東部の江原道(カンウォンド)東海(トンへ)市沖で、マグニチュード4.5の地震が発生しました。震源は東海市の北東52キロの沖合で、震源の深さは32キロと推定されるということです。ことしに入って韓半島とその周辺の海域で発生した地震としては規模がもっとも大きいものです。

日本の地震と比べればどれも規模は小さいものの、問題は同じ地域で連続して起きているということです。江原道東海市付近ではマグニチュード2未満のものまで含めると先月23日からこれまでに50回以上の揺れが続いています。韓国気象庁では今回の地震は南北方向の逆断層運動が原因だと分析しています。南から北へずれた断層が上下に動いて起きたものです。気象庁は大規模な地震が起こる可能性は少ないとは言っていますが、不安は続きます。

問題は韓国には海底で起きる地震を観測する海底地震計が一つもないことです。2006年にウルルン島近くの海底にリアル海底地震計が設置されましたが、光ケーブルが切れてしまい2015年に改修廃棄されました。気象庁は2027年までに人口密集地域と原発周辺などを中心に観測網を広げて地震探知の時間を2秒以上縮める計画だとしています。しかしこれらの観測網はすべて陸地にあるもので、今回のように海底に震源のある場合に、それをリアルタイムで観測できるリアル海底地震計は皆無です。海底地震計が200個以上設置されているという日本ほどではないにせよ、海底での地震を測定する海底地震計の設置は急務だと言えます。

もう一つの不安要素が原子力発電所の安全です。韓国の原子力発電所は韓半島の東南地域に集中しており、この東南地域には14の活性断層が存在しています。特に古里、新古里、月城、新月城の4つの原発の近くには活性断層が走っています。また東海の海底でマグニチュード6~7の地震が起きれば、東南地域の海岸に津波が押し寄せる心配もあります。すべての原発は高さ10mの津波まで耐えられるように設計されていますが、気候変動による海水面の上昇により津波の高さもさらに高くなる可能性があるといいます。原子力発電所では地震をどれだけ早く感知できるかが安全に直結します。1,2秒の差が大きいのです。そのため気象庁と原子力安全委員会は原発密集地域と首都圏などに今後観測所を短時間に集中的に設置する計画です。2027年までに地震観測所を851カ所設置する計画ですが、これは現在の390カ所を倍以上増やした数字です。

観測所が増えるまで地震が待っていてくれればよいのですが、2027年、まだ4年も先のことです。大きな地震が来ないことを祈るしかないようです。

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