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社会

浦項地震から1年 地震の原因は?

Write: 2018-11-15 10:57:51Update: 2019-10-17 15:01:57

浦項地震から1年 地震の原因は?

マグニチュード5.4を記録した浦項地震から、15日で1年がたちました。
去年11月15日、慶尚北道(キョンサンブクト)浦項(ポハン)市でマグニチュード5.4の地震が発生しました。
韓国で地震を観測し始めた1978年以来、2番目に大きい地震でした。
その浦項地震から1年が経ったいま、応急復旧は、ほとんど終わり、被災地への都市再生事業も本格化しています。
しかし、被災住民の多くは依然として避難所での生活を強いられていて、トラウマに苦しんでいます。
浦項地震の原因については、専門家らの意見が分かれています。
高麗大学のイ・ジンハン教授は、誘発地震の可能性があると主張しています。
震源地から直線距離で1.1キロほど離れた浦項市北区興海邑(フンヘウプ)にある地熱発電所によって地震が誘発されたということです。
イ教授の研究チームが調査した結果、浦項地震が発生する前に63回の大小の誘発地震があり、地熱発電のため水を注入した時期と誘発地震が発生した時期がほぼ一致しただけでなく、坑井と地震の発生地点がほとんど一致することがわかったということです。
誘発地震は、人の活動により地殻に応力変化や変形が生じ起きる地震を指します。
イ教授が書いた「浦項地震は誘発地震であることが確実だ」という内容の論文が科学専門の国際学術誌「サイエンス(Science)」に掲載されたことで、こうした主張はさらに説得力が増しました。
これにもとづき、ことし10月には、被災住民からなる「浦項地震汎市民対策本部」が、国を相手取って最大で9兆ウォンの誘発地震損害賠償請求訴訟を起こしました。
地熱発電所が政府主導の事業であるだけに、政府が賠償すべきだということです。
この団体の関係者は、「地熱発電所の運転開始後、2016年1月中旬から1か月間で362回の微小地震が起きた。住民は暮らしの場を失い、1年が経ったいまでも、コンテナや体育館などでの生活を続けている」と強調しました。
しかし、こうした誘発地震の疑惑は、まだ完全には解明されていません。
延世大学のホン・テギョン教授はことし9月、浦項地震は、おととし発生したマグニチュード5.8の慶州地震の影響で発生した可能性があるという内容の論文を国際学術誌「サイエンティフィックリポーツ」に掲載しました。
ホン教授の研究チームは、2011年の東日本大震災で韓半島の地殻を構成する物質の粒子間の凝集力が弱まり、韓半島の地殻に応力変動をもたらし、地殻が拡張。結果的に地殻が耐えられる力の限界、つまり降伏強度が落ちたと説明し、イ教授とは異なる見解を示しています。
一方、政府は、誘発地震の可能性が指摘されると、ことし3月、大韓地質学会が主導する「浦項地震と地熱発電の関連性分析研究団」を立ち上げ、研究を始めました。
研究団は来年2月ごろ、公式な研究結果を発表するとしていましたが、遅れる可能性が高くなっています。
こうしたなか、ことし12月にはアメリカで、誘発地震の科学的判断に関する学会が開かれます。
アメリカ、ドイツ、イタリア、スイスなどによる関連論文15編が発表される予定で、関心がさらに高まっています。
浦項地熱発電所は、興海邑(フンヘウブ)の地下4.5キロのところの最高温度170度に達する地熱を利用して電気を生産するため建設が進められていましたが、地震発生後、誘発地震の疑惑が浮上したため、建設や運転が中止されました。

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