国防部は来年1月に刊行する国防白書で、北韓に対する敵視的な表現を削除することが分かりました。
政府消息筋によりますと、来年の国防白書では北韓を敵と規定するなどの敵視的な文言や表現が削除される見通しです。
その代わり、韓国の領土と国民の生命および財産を脅かすすべての勢力を敵と規定するといった表現が盛り込まれるということです。
国防白書の刊行は文在寅政権発足後初めてです。
2016年に刊行した現行の国防白書は、北韓の核やミサイル、サイバーテロなどを主だった脅威と指摘し、こうした脅威が続くかぎり、脅威の主体である北韓政権と北韓軍は敵だと明記しています。
こうした表現は、北韓による延坪島砲撃事件のあと、2010年末に刊行した国防白書から盛り込まれるようになりました。
北韓に対する敵視的な表現が削除されることについて、別の消息筋は、非武装地帯の監視所の撤去、板門店がある共同警備区域の自由往来など、緊張緩和に向けた動きが続いていることを受けて、表現に慎重を期したと指摘しました。
2度目の米朝首脳会談や金正恩国務委員長のソウル訪問を控えていることも考慮されたものとみられます。
国防白書は鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)長官の裁可を経て、来年1月に刊行され、国防部のホームページにも掲載されます。
国防白書は国防政策の基本理念について国民の理解を求めるために作成されていて、2年に一度、年末または年初に刊行されます。