2016年に脱北して韓国に亡命した太永浩（テ・ヨンホ）元イギリス駐在北韓公使は、20日、行方をくらましている北韓の元イタリア駐在大使館のチョ・ソンギル代理大使の娘が、去年11月にイタリアから平壌に送還されたと明らかにしました。
太氏は「複数のルートから事実を確認した」としたうえで、「イタリア駐在北韓大使館は、チョ氏の動向がおかしいと判断し、直ちに高校生と推定されるチョ氏の娘を飛行機に乗せて北京経由で平壌に送還した」と韓国メディアに説明しました。
また、太氏は先月「北韓外交官チョ・ソンギル氏家族の韓国行きを支持する市民連帯」を結成し、記者会見でチョ氏を韓国に迎え入れるための韓国政府の積極的な努力を促しましたが、この日は「チョ氏に韓国へ来るようにとはもはや言えない状況になった」と話しました。
その理由について「北韓では（脱北者が）韓国に来ると、革命の裏切り者・変節者として家族に対する処罰のレベルが上がり、アメリカやヨーロッパで静かに暮せば処罰のレベルが下がる」からだと説明しました。
これまで太氏は康京和（カン・ギョンファ）外交部長官や韓国駐在イタリア臨時大使、国連の北韓人権特別報告者に手紙を送り、チョ氏の身辺を保護することを要求していました。
太氏は「どこからも返事がなかったのでおかしいと思っていたが、やっと理由がわかった」と話しました。