北韓の崔善姫(チェ・ソニ)外務次官が15日、平壌(ピョンヤン)で記者会見し、アメリカとの非核化交渉を停止することを検討していると明らかにしましたが、これについて、今後の非核化交渉で主導権を握り、アメリカを説得する狙いがあるという見方が出ています。
IAEA=国際原子力機関の元事務次長のオリ・ハイノネン氏は、アメリカの政府系メディア・自由アジア放送とのインタビューで、崔次官の会見について、「トランプ大統領との関係は良好ということを強調し、アメリカが部分的な非核化に合意するよう説得するためのもの」という見解を示しました。
アメリカ平和研究所(USIP)のフランク・オム研究員は、北韓の発言は、「米朝交渉の停止宣言というよりは、アメリカが先に柔軟性を示すよう求める『政治的な姿勢』に近い」という見方を示しました。
大統領府青瓦台の関係者も17日、崔次官の会見について、「平壌駐在の外交官らを集めて、2回目の米朝首脳会談以後の北韓の立場と評価について説明する性格のもので、アメリカ側の要人が相次いで米朝首脳会談についての立場を示したことへの北韓側の対応だった」と説明しました。
しかし、専門家らは、崔次官の発言が、「金委員長は非核化に合意したと繰り返し主張したトランプ大統領にマイナスとなっている。北韓との実務交渉の再開を準備するアメリカには何の役にも立たない」と指摘しました。