違法な洋上取引、いわゆる「瀬取り」によって北韓の船に石油製品を積み替えた疑いで、韓国の貨物船1隻が、取り調べのため釜山港に留め置かれていることがわかりました。
外交部によりますと、取り調べを受けているのは韓国船籍の貨物船7800トン級1隻で、おととし公海上で北韓の船に石油製品を違法に積み替えた疑いがあるということです。
この船は、去年10月に全羅南道(チョンラナムド)麗水(ヨス)港で捕らえられ、釜山港で海洋警察の調査を受けたあと、検察の取り調べを受けるため、半年近く釜山港に留め置かれています。
アメリカ財務省による「瀬取り」が疑われる船のリストに韓国の船が含まれたことはありますが、国連安全保障理事会の北韓制裁決議に違反した疑いで船が留め置かれたのは初めてです。
制裁決議違反が事実と判明した場合、外交部は、船会社に対する処分にについて国連北韓制裁委員会と協議することになり、十分な再発防止措置が取られたと委員会が認めれば、6か月後から運航が可能になるということです。
北韓は年間200万バレルの石油製品を輸入してきましたが、国連の制裁によって、いまは50万バレルまでしか輸入ができないため、公海上での瀬取りで石油製品を密輸しているとされ、各国が取り締まりを強化しています。