ソウル市鍾路区は、日本大使館の跡地に新築される予定の新しい大使館の建物の建築許可を取り消したことがわかりました。
鍾路区によりますと、「日本大使館側がことし2月末に、本国の事情で建物の建設が着工できないでいる」と連絡してきたため、手続きに従って建築許可を取り消し、 先月4日に日本大使館側に通知したということです。
日本大使館の新築工事は2015年に建築許可がでていますが、建築法では、建築許可が出てから1年以内に着工しなければならないと定められています。鍾路区はこれまで、日本大使館側に工事を始めるよう数回にわたって要請しましたが、大使館側はこれといった反応を示さず、工事の延期申請も出ていませんでした。
これについて、日本大使館前に慰安婦被害者を象徴する「少女像」が設置され、毎週水曜日にこの前で慰安婦問題をめぐる市民集会が開かれていることと関係しているという見方が出ています。
日本大使館は2020年の完成を目標に、既存の建物を取り壊した敷地に地上6階、地下3階の大使館ビルを建てることを決め、2015年7月に近くのビルに移転していました。
2016年1月に既存の建物を取り壊した敷地内では、朝鮮王朝時代のものと推定される遺物が見つかり、工事が4か月間中断されたあとも、手付かずのままとなっています。