文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「政府が惜しみなく財政を支出すべきときだ」として拡張的財政政策を推進する意向を示しました。
文大統領は16日、財政運用の方向性や戦略を話し合う国家財政戦略会議を開き、「就任から2年間、成果もあったが、暮らしの質が改善したことを国民が感じるには不十分なところがあった。自営業者や低所得層が抱えている困難を解消するため、財政がより積極的な役割を果たす必要がある。政府が惜しみなく財政を支出すべきときだ」として、拡張的財政政策を推進する意向を示しました。
これに対して、洪楠基(ホン・ナムギ) 副総理兼企画財政部長官は、積極的、拡張的財政政策の基調を維持するとし、李載甲(イ・ジェガプ)雇用労働部長官は、財政支援をする際には、雇用に成果が出ているか徹底して点検するとしました。
政府は会議の結果を踏まえて、向こう5年間の国家財政運用計画や来年度予算案を策定する方針です。
これについて、政府系シンクタンクのKDI=韓国開発研究院は、韓国の生産性基調がいまのままだと、2020年代には経済成長率が年平均1%台にとどまるという見通しを示し、「拡張的財政政策は、長期的な対策にはならない」と指摘しました。
KDIは、経済成長率の向上を図るためには「自由な経済活動を後押しする構造改革や技術革新を続ける必要がある」とコメントしました。