第72回カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した韓国のポン・ジュノ監督の映画、「寄生虫」は、作品性だけでなく、労働時間を守ったことでも高く評価されています。
この映画は、スタッフと標準雇用契約を結んで、労働時間を守りながら制作した映画です。
ポン監督は、「寄生虫」の制作中、マスコミに対して、「映画『雪国列車』と『オクジャ』の撮影で、アメリカ式組合規定に従って撮影することを学んだ」と話しています。
実際に「寄生虫」では、合わせて77回で、撮影が終了しています。
韓国映画の市場規模は2018年の時点で16億ドルと、世界5位となっていますが、長時間労働が当たり前とされる雰囲気が依然として根強く残っています。
雇用労働部が2015年に発表した報告書によりますと、OECD=経済協力開発機構加盟国の平均労働時間は月142.16時間なのに対して、韓国の映画界の平均労働時間は月311.9時間と、2倍以上となっています。
これは韓国の平均労働時間 の月171時間より140.9時間長いものです。
ポン監督はこのほかにも、記録的な猛暑となった去年の夏、子役が体調を崩さないよう配慮し、費用を掛けてCG=コンピューターグラフィックを活用したことでも話題となっています。