韓国と中国の当局間で調整が行われていた中国の習近平国家主席の来月中の韓国訪問が、事実上、見送られたもようです。
情報当局の関係者によりますと、「中国側は来月末の習主席の韓国訪問に合わせて、ソウル都心のホテルを予約していたが、最近、キャンセルしたことがわかった」ということです。
習近平主席は、来月末に大阪で開かれるG20=主要20か国・地域サミットを機会に、韓国と北韓への同時訪問計画を進めていました。
しかし、アメリカが最近、中国に対して、追加関税に続いて、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁措置、通貨戦争など圧力を強めているなかで、アメリカを余計に刺激する必要はないと判断したものとみられています。
韓国政府は、アメリカと中国の首脳の相次ぐ韓国来訪をきっかけにして、北韓との非核化交渉の糸口を見出したいとする考えでしたが、米中の貿易摩擦のあおりで習近平主席の韓国訪問が事実上、見送られる見通しとなったことから、戦略の立て直しを迫られることになりました。