江原道(カンウォンド)三陟(サムチョク)の海岸で15日、北韓の漁船が見つかった事件で、当初、韓国軍などの発表では、操業中の韓国漁船によって発見されたとされていましたが、実際は、港に停泊していたところを地元の住民が見つけ警察に通報していたことが分かりました。
現場近くの住民の話によりますと、15日午前6時50分ごろ、北韓漁船が三陟港のふ頭に停泊しているのを住民が発見し、船の乗組員に「どこから来たのか」と聞いたところ「北韓から来た」と答えたため、警察に通報したということです。
韓国軍や警察は、15日、北韓の漁民4人が乗った小型漁船1隻が東海(トンヘ)のNLL=北方限界線から130キロほど離れた、江原道三陟の沖合を漂流していたところを操業中の韓国漁船が発見したと発表しました。
ところが、港に入りふ頭に停泊していたことからも、漂流していたとは考えられず、また北韓漁船に乗っていた4人は服装からみて漁民ではない可能性もありました。KBSが取材したところ、実際に4人の中には軍人も含まれていたことが確認されました。また、発見された北韓漁船は、軍当局によって廃棄されたということです。
今回の北韓漁船に関しては、軍や警察の沿岸での監視網が機能しなかったことが判明しただけでなく、軍当局が事態を矮小化しようとした疑惑も浮上し、批判が高まっています。
一方、北韓漁船に乗っていた4人のうち2人は、18日、板門店(パンムンジョム)を通して北韓へ送還され、残りの2人は韓国に残るという意思を明らかにしたため、送還されませんでした。