北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が20日、平壌(ピョンヤン)を訪れた中国の習近平国家主席との会談で、アメリカと対話を続けるとの立場を示唆し、こう着状態に陥った非核化交渉の再開に向けた動きが加速するか注目されます。
金委員長は、習近平国家主席との首脳会談で、「北韓は忍耐心を維持する。関係国がわれわれと向かい合い、互いの関心事を解決し、韓半島問題が解決され、成果があることを希望する」と述べ、アメリカとの交渉を通じて問題解決を図っていく考えを示しました。
金委員長が最近トランプ大統領に親書を送ったのも、対話を基本として維持する姿勢を示したものと受け止められています。
こうしたなか、アメリカ国務省のビーガン北韓担当特別代表が来週韓国を訪れた際に、米朝の実務交渉が再開される可能性があるとの観測も出ています。
ビーガン氏は 19日、2月の米朝首脳会談が物別れに終わって以降開かれていない実務者協議の再開について、「前提条件はない」と強調し、北韓に米朝ともに「柔軟なアプローチ」で対応する必要があると呼びかけています。
金委員長がアメリカと対話を続けていく意向を示したことから、習近平国家主席は、来週のG20大阪サミットに合わせて開かれる米中首脳会談で、トランプ大統領に金委員長のメッセージを伝えるものとみられ、非核化をめぐる米朝交渉再開に向けた動きが強まるか、注目されます。