文在寅(ムン・ジェイン)大統領が26日、韓国の大法院が日本企業に対して元徴用工への損害賠償を命じた訴訟をめぐって、韓国政府が日本政府に提案した被害者へ慰謝料を支払う案について「当事者間の和解を実現させると同時に韓日関係の改善に向け一歩前進できる措置」と評価しました。
文大統領は26日、今日から3日間の日程で大阪で開かれるG20サミット=主要20か国・地域首脳会議の出席を前に、韓国の聯合ニュースやフランスのAFP通信、米AP通信、日本の共同通信、英ロイター通信、ロシアのタス通信、中国の新華社と合同書面インタビューを行いました。
文大統領はインタビューで、韓国政府が19日 、元徴用工問題を巡って責任がある韓国と日本の企業による自発的な拠出金で財源を作り被害者に慰謝料を支払う案を日本政府に提案したことについて触れ「民主主義国家の政府として、大法院の判決を尊重し、この問題に長年取り組んできた各界の意見と被害者の要求を総合した提案だ」と強調しました。
一方、日本政府は、韓国政府の提案に対して、韓国の国際法違反の状態を是正することにはならず、問題の解決策にならないとの姿勢を崩していません。日本政府は、韓国の大法院の賠償命令は、国家間の条約であり国際法と同様の効力を持つ1965年の韓日請求権協定に違反するもので、請求権協定により元徴用工への賠償問題は解決済みとの立場を示しています。
文大統領はこの日「韓国と日本、両国が知恵を絞るべき問題は、被害者の実質的な苦痛をどう癒すかについてだ」としたうえで「韓日関係を発展させるためには過去の歴史問題を国内政治に利用してはならない」と述べました。