旧日本軍慰安婦被害者のイ・オクソンさんの証言をもとに描かれた漫画「草(Grass)」がフランスのヒューマニティー漫画賞(Prix Bulles d’Humanité)で審査委員特別賞を受賞しました。
フランスの日刊紙が主催する「ヒューマニティー漫画賞」は、人々の暮らしや人権をテーマにした漫画作品を選定する賞で、ことしが第1回目となります。賞は、大賞と審査委員特別賞の2部門があり、審査委員特別賞に韓国人作家、イ・クンスクさんの作品「草」が選ばれました。
「草」は、旧日本軍慰安婦被害者のイ・オクソンさんの証言をもとにした漫画で、歴史の悲劇の中で人権運動家として生きてきた女性の生涯が描かれています。審査委員はこの作品について「16歳の時、慰安婦として売られ、60年の年月が経ち、韓国に帰ることができたイ・オクソンさんの生きることへの意志、そして1940年代の韓国社会がうまく表現されている作品」と評価しました。
作家のキムさんは「秘密にしておきたかった心の中の話をしてくれたイ・オクソンさんに感謝する。今回の受賞は、個人の栄誉にとどまらず、世界の人々に負の歴史の真相を知らせたことに大きな意味がある」と感想を語りました。