ロシアの軍用機が韓国防空識別圏(KADIZ)内に進入する頻度が、ここ最近、増えていて、ロシアの意図などその背景に関心が寄せられています。
ロシアの軍用機6機は22日、韓半島東の海、東海の韓国防空識別圏内に相次いで進入し、その後、日本の防空識別圏(JADIZ)にも進入しました。
ロシアは韓国の防空識別圏だけでなく、各国の防空識別圏を認めておらず、ことしだけで20回も韓国の防空識別圏に進入しています。
ロシア側は、定例の訓練であり、ほかの国を刺激するためではないと主張していますが、ロシアの軍用機の飛行訓練が頻繁になっているのは、最近、悪化したアメリカとの政治・軍事的緊張関係を反映したものという見方が出ています。
プーチン大統領をはじめロシアの政府要人らは、アメリカが旧ソ連との中距離核戦力全廃条約(INF)から一方的に離脱して以降、日本や韓国などアジア地域に短距離や中距離ミサイルを配備しようとする動きをけん制しています。
また韓国政府がGSOMIA=韓日軍事情報包括保護協定の破棄を決定したことによる、韓・日・米3か国の連係への影響を探ろうという意図もあるという見方もあります。
日本で「即位礼正殿の儀」が行われた22日に、ロシアの軍用機が韓国の防空識別圏と日本の防空識別圏を同時に進入したのは、韓国と日本、それにアメリカへの警告のメッセージとみられます。
外交部は22日、ソウルのロシア大使館参事官を呼んで遺憾の意を表明し、再発防止を要請しました。
外交部は「国防部と関連情報を共有しながら緊密に対応している」としています。