文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が、元徴用工問題の解決に向けた新たな法案を作成したと、日本のメディアが12日、報じました。
毎日新聞は、文喜相議長の当初の草案で対象とした日本企業に対する賠償請求訴訟の原告や原告予定者だけでなく、韓国政府から被害認定を受けた元徴用工や旧日本軍の元軍人・軍属も加え、年内の国会提出を目指していると報じました。
法案の素案で「判決を通じて被害が認定された者」と限定していた慰謝料の支給対象については、「法律に基づき審査決定を受けた者」という表現を追加しました。
また、慰謝料の支給は、「記憶・和解・未来財団」を設立し、財団のもとに専門家20人でつくる「諮問委員会」を設置して対象者を審査するということです。
一方、財源について法案は、韓日両国の企業や国民の寄付を柱としていますが、「強制はしない」と明記しました。
朝日新聞は、法案が日本側の支出を「自主的な寄付金」として、勝訴した原告への賠償金ではないとの体裁をとり、日本政府の主張にも配慮したとしました。
法案は、今月24日の開催で調整中の韓日首脳会談の前に提出することを目標としています。
また、朝日新聞によりますと、文議長は法案の提出理由に、1998年の金大中・小渕共同宣言で小渕恵三元首相が韓国の植民地支配をめぐって「痛切な反省と心からのおわび」を表明したことを明記し、現在の日本政府が思いを継承していることを前提にしていると強調したということです。
また、朝日新聞は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の対応にも注目しています。
朝日新聞は、「法案は今月中旬にも国会に提出され、審議を経て通過する可能性が高いが、文大統領は国会が決めた法律に対する拒否権を持っている」としたうえで、「仮に韓国世論が強く反発した場合、文大統領が制度の実現を拒む可能性も残っている」としています。