新型コロナウイルス感染症に効果があるとされている抗ウイルス薬「レムデシビル」について、韓国の国立中央医療院は患者への投与を公式に勧告することを決めました。
国立中央医療院の新型感染症中央臨床委員会は、「韓国国内での臨床試験の結果、回復期間の短縮という効果が十分検証された。こうした判断のもと、重症患者の治療にレムデシビルの投与を公式に勧告することにした」と発表しました。
韓国政府はすでに今月初め、レムデシビルの特別輸入の方針を決め、数量の確保に努めています。
保健当局は、肺炎のため酸素療法が必要な重症患者に優先的に投与するとしています。
レムデシビルは、アメリカに本社がある「ギリアド・サイエンシズ」がエボラ出血熱の治療薬として開発を進めてきた薬で、新型コロナウイルスの治療にも効果があるとされています。
アメリカ国立衛生研究所(NIH)は「レムデシビル」の投与によって、患者の回復期間が15日から11日に短縮することがわかったとしていて、アメリカのFDA=食品医薬品局はこれを受けて先月1日、新型コロナウイルスの重症患者に対する緊急使用を認めました。
韓国では、副作用などへの懸念から投与には慎重な検討が必要とされ、臨床試験を重ねてきました。