北韓の金与正（キム・ヨジョン）党第１副部長は、10日に発表した談話のなかで、7月4日のアメリカ独立記念日の行事を撮ったDVDが欲しいと表明し、その発言の真意と背景に関心が集まっています。 
金副部長は、年内の米朝首脳会談は無益だと主張した談話の最後で、金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長からトランプ大統領への次期大統領選挙での勝利を祈るというメッセージとともに、「アメリカ独立記念日の行事のDVDをぜひ入手したい」と付け加えました。
この発言について、その背景を含め様々な見方が出ています。
政府消息筋は、トランプ大統領の次期大統領選挙での勝利を祈ったのは、選挙を控えているトランプ大統領に不利になる行動はとらないというメッセージが込められていると話しています。 
トランプ大統領の再選が、北韓に有利だと判断しているということです。
さらに、この談話が北韓労働党機関紙「労働新聞」には掲載されず、対外向けの朝鮮中央通信によって報じられたということも、アメリカ向けのメッセージという見方に説得力を与えています。
一部には、これを機に米朝の水面下での接触を図ろうとするシグナルだという見方が出ています。
一方で、2017年7月4日にICBM＝大陸間弾道ミサイル「火星14型」を試験発射したことを考えると、北韓が独立記念日に言及したのは、挑発する能力があることを喚起する狙いがあるという見方もあります。