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政治

韓国の宇宙ロケットの固体燃料の使用制限解除へ

Write: 2020-07-29 12:53:54Update: 2020-07-29 16:38:00

韓国の宇宙ロケットの固体燃料の使用制限解除へ

Photo : KBS News

韓米両国が、韓国の宇宙ロケットに対する固体燃料の使用制限を完全に解除する内容を盛り込んだ「韓米ミサイル指針」の改正に合意しました。
大統領府青瓦台の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安保室第2次長は28日、「2020年7月28日付けで、宇宙ロケットに対する固体燃料の使用制限が完全に解除された」と発表しました。
これで、韓国のすべての企業と研究所、韓国籍のすべての個人は、従来の液体燃料だけでなく、固体燃料型の宇宙ロケットを自由に研究・開発できるほか、生産・保有できるようになりました。
今回改正された韓米ミサイル指針は、固体燃料の使用を制限されてきた宇宙ロケットに適用されます。
通常「ロケット」の燃料は、大きく液体と固体に分かれていますが、これまで固体燃料の使用には制約がありました。
青瓦台は、今回の韓米ミサイル指針の改正を通じて、軍の情報・監視・偵察能力の向上のほか、韓国の宇宙産業の発展や韓米同盟の進展などの効果が期待できるほか、とりわけ、民間の宇宙産業を発展させるきっかけになるとしています。
金次長は、「宇宙産業のインフラを改善する土台が設けられ、韓国版ニューディールが宇宙に拡張される道が開かれた」とし、「韓国版スペースXが現実のものとなる可能性がある」と期待を示しています。
青瓦台が、民間部門の宇宙ロケット事業での活用を強調した一方で、軍事部門における意味合いの方がはるかに大きいとする見方もあります。
固体燃料は、長期保管できるほか、燃料の注入に時間がかからないなどのメリットがあるため、軍事用のミサイルに主に使われています。
そのため、今後韓国が人工衛星を開発するという名分で、射程距離が大幅に伸びた個体燃料のミサイルを開発できるとの分析が出ています。
一部では、前回、韓米ミサイル指針の第3次改正が行われた当時、韓米両国が合意していた射程距離800キロメートルの制限は、今回の改正で意味がなくなるとの観測も出ています。
これは、事実上アメリカが韓国の大陸間弾道弾(ICBM)と中距離弾道ミサイル(IRBM)の開発を認めたものだとする分析もあります。
加えて、アメリカの対中国戦略にも影響が出るとの見方もあります。アメリカが韓国のミサイルの射程距離の制限を解除したことで、事実上中国に対するミサイル防衛網を構築したと考えられるからです。
21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ研究員は、「今回の発表は、非公式的に大陸間弾道弾と中距離弾道ミサイルの開発を承認したことに等しい」としたうえで、「アメリカは、中国が今後も北韓問題で非協力的な姿勢を見せるなら、韓国と日本の足かせを少しずつ解いていくというシグナルを中国に送ったものだ」と話しています。
このほかにも、固体燃料の宇宙ロケットの開発が本格的に行われた場合、小型の軍事衛星にも活用される可能性があります。
固体燃料の宇宙ロケットを活用すると、低軌道の小型偵察衛星を多数発射できるようになるため、韓国製の偵察衛星5基を打ち上げるとする韓国軍の「425事業」が加速するものとみられます。
「425事業」は、国防科学研究所が主導して2015年から2025年の間、1兆2214億ウォンを投じて偵察衛星を開発する事業で、偵察衛星が実戦配備されると、韓国軍は北韓軍を気象条件に左右されずに偵察できるようになるということです。

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