旧日本軍慰安婦被害者の証言をもとに描かれた韓国のグラフィックノベル「草」が、アメリカのハーベイ賞の最高国際図書部門を受賞しました。 
アメリカで最も権威のあるマンガ賞のひとつであるハーベイ賞は、ことしから新たに設けられた最高国際図書部門の受賞作に、キム・クムスク氏のグラフィックノベル「草」を選びました。
韓国で2017年に出版されたキム・クムスク氏の「草」は、旧日本軍慰安婦被害者のイ・オクソンさんの証言をもとにしたグラフィックノベルで、歴史の悲劇の中で人権運動家として生きてきた女性の生涯が描かれています。2019年には、フランスのヒューマニティー漫画賞（Prix Bulles d’Humanité）で審査委員特別賞を受賞したほか、イギリス「ガーディアン」のベストグラフィックノベルや、アメリカ「ニューヨーク・タイムズ」のベストコミックにもノミネートされました。
キム・クムスク氏は、現地時間の9日、動画配信サイト「ユーチューブ」で生配信されたハーベイ賞の授賞式で、「『草』は、抑圧された女性たちの声を代弁し、トラウマを抱えた人間が、どのように生きていくのかについて物語っている。彼女たちの生きることへの意志が、人類を信じる力になることを願う」と感想を述べました。