1980年5月18日に起きた光州(クァンジュ)民主化運動で、当時の軍部隊が民間人を虐殺し、遺体を埋葬したとされる疑惑をめぐり、埋葬を直接行ったり、目撃したりしたという当時の韓国軍兵士の供述が20件あまりに上ることがわかりました。
光州民主化運動は、1980年5月18日に、民主化を求めて光州の学生や市民が鎮圧軍部隊と衝突し、軍の発砲によって200人以上が死亡または行方不明になったとされる事件です。
当時、政権を握っていた全斗煥(チョン・ドゥファン)氏らはこれまで、遺体の埋葬について否定してきました。
CBSノーカットニュースが30日、取材したところによりますと、5.18民主化運動真相究明調査委員会はことし5月の調査開始以降、埋葬にかかわったとみられる当時の韓国軍兵士350人に対して調査を行い、目撃したとする供述だけでなく、埋葬を直接行ったとする証言まで合わせて20件あまりの証言を収集したということです。
ただ、埋葬したと推定される場所の発掘調査には時間がかかる見通しです。委員会は現在、調査結果にもとづいて、供述を検証し、埋葬したとされる場所を特定する作業を行っています。
遺体埋葬の疑惑は、真相解明の大きな課題である行方不明者の捜索につながるもので、関心が集まっています。
光州市がこの事件の行方不明者として認めているのは、合わせて78人で す。
光州市と5.18記念財団などはこれまで5回にわたって発掘調査を行いましたが、これといった成果はありませんでした。