朴槿恵(パク・クネ)前大統領などへの贈賄罪で起訴された、サムスングループ経営トップの李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長の差し戻し審の判決公判が18日、ソウル高等裁判所で開かれ、懲役2年6か月の実刑が言い渡され、李被告は法廷で拘束されました。
裁判所は、李被告がグループの経営権継承を支援してもらう見返りとして、朴槿恵前大統領とその知人崔順実(チェ・スンシル)被告に86億8000万ウォンの賄賂を贈った罪を有罪としました。
これは、最高裁にあたる大法院がおととし10月に二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した判決の趣旨に沿ったものです。
なかでも裁判所は、サムスングループの経営を監視するために発足した「サムスン遵法監視委員会」の活動について、「実効性の基準を満たしたとは認めがたいため、量刑条件の参考とするのは適切でないと結論付けた」と説明しました。
李被告は、グループの経営権継承を支援してもらう見返りとして、朴槿恵前大統領とその知人側に298億ウォンもの賄賂を贈った罪などで起訴されました。
李被告は、2017年8月の一審で、懲役5年の実刑判決を言い渡され、身柄を拘束されましたが、2018年2月の二審では、高等裁判所がこのうちの36億ウォンだけを賄賂とみなし、50億ウォン相当については無罪として執行猶予付き有罪となったため、釈放されました。
これに対して大法院はおととし8月、50億ウォン相当について無罪とした二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻したため、差し戻し審の初公判がおととし10月に開かれました。
しかし、この事件を捜査している特別検察官チームが、去年2月、訴訟を担当する裁判官に一貫性がなく被告人に偏った裁判を進めたとして、裁判官の交代を要求しましたが、去年9月に大法院がこれを棄却し、去年10月に差し戻し審が再開されました。
そして李在鎔被告の差し戻し審の論告求刑公判が去年12月30日、ソウル高裁で行われ、検察は懲役9年を求刑していました。
★2021年2月11日修正