北韓の故金日成（キム・イルソン）主席の回顧録「世紀とともに」が、統一部の許可を得ずに、今月１日、韓国で出版されたことについて、統一部は、出版の経緯について調査し、政府として取るべき措置があるか検討する考えを示しました。
1992年に北韓の労働党出版社が出版した「世紀とともに」は、日本統治時代に金主席が行ったとされる抗日運動について記録した回顧録です。
韓国では、回顧録「世紀とともに」を巡って、金主席の活動を美化し、事実とは違う内容があるという指摘が出ていて、2011年には、最高裁に当たる韓国大法院が、「世紀とともに」を「利敵表現物」とみなす判決を言い渡しています。
北韓の図書を出版目的で韓国に持ち込む際には、統一部の許可を得る必要がありますが、統一部によりますと、今回「世紀とともに」を出版した韓国の出版社は、出版に当たって統一部と事前に協議せず、持ち込み許可の申請もしていなかったということです。
統一部は、出版社が、本を出版した経緯について調べ、政府として取るべき措置があるか検討する考えです。