政府系シンクタンクのKDI=韓国開発研究院は、新型コロナウイルス感染症が流行して以来、初めて、韓国の景気が緩やかに回復しているという見方を示しました。
KDIが10日にまとめた「5月の経済動向」によりますと、新型コロナの感染拡大は続いているものの、韓国経済は製造業を中心に景気が緩やかに回復しているということです。
先月、「4月の経済動向」では、去年8月以降、8か月ぶりに「景気の不振が緩和した」としましたが、今月は「回復している」と表現を変えました。
KDIは、「製造業の回復は堅調で、輸出と設備投資も、海外の需要の改善で、高い伸びを見せている」と説明しました。
3月の全産業生産は5.8%、鉱工業生産は4.7%それぞれ増加し、2月に比べて大幅な伸び率となりました。
4月の一日平均輸出額も前年同期に比べて29.4%増え、3月の伸び率を上回りました。
3月の設備投資は、機械類を中心に9.3%の伸び率となりました。
KDIはこれを踏まえて、今月14日に発表する予定の上半期の経済展望で、ことしの韓国の経済成長率の見通しを上方修正するとみられます。
KDIは去年11月には、ことしの経済成長率の見通しを3.1%としていました。
ことしに入って、IMF=国際通貨基金とOECD=経済協力開発機構も、韓国の経済成長率の見通しを3.6%と3.3%にそれぞれ上方修正しています。