オーストリアのウィーンで開かれているIAEA=国際原子力機関の年次総会で、韓国の科学技術情報通信部の竜洪沢(ヨン・ホンテク)第1次官は21日、日本政府が東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染処理水の海洋放出を一方的に決めたとして、決定の見直しを求めました。
竜第1次官は演説で、「韓国政府が一貫して反対してきたにもかかわらず、日本政府はことし4月、近隣国である韓国との十分な協議を行わず、一方的に汚染水の海洋放出を決めた」と批判しました。
そして東京電力が先月末、具体的な放出計画を発表したことについて深い遺憾の意を表するとともに、日本政府に対して決定の見直しを改めて求めました。
また、竜第1次官は、汚染処理水の処理過程での客観性や透明性、安全性を高めるためのIAEAの役割の重要性についても強調し、汚染処理水の放射能分析など、IAEAのモニタリングと安全性の点検に韓国も引き続き参加したいと述べました。
そのうえで、日本はIAEAの加盟国として、近隣国である韓国の要請を積極的に受け入れる姿勢を見せる必要があると主張するとともに、IAEAに対しても積極的な協力を求めました。